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俺と伊武が付き合い始めてから、もう一ヶ月は経っただろうか。

始まりはそんな複雑なもんじゃない。“兄貴と舎弟”という関係で一緒に仕事をする内に、互いに「それ以上」の魅力を感じ始めて、そこからは成り行きだ。

そんな俺達だが、最近伊武の様子がおかしい。

俺と他の舎弟や兄貴達が楽しそうに話をしていると露骨に不満げな顔をするし、かといって俺がそっちを向くと急いで目を逸らす。

この前も、俺と伊武と阿蒜とで3人で町を歩いていたとき、俺と阿蒜が談笑してるだけでも、子猫のようにすり寄ってきて、服の裾を軽く引っ張ったこともあった。

最初はただ嫉妬しているだけだろうと思っていた。けれどこの後に俺は、それらの行動の本当の意味を知ることになる。

組での雑務が一段落したとき、俺は用を足そうとトイレに向かった。入り口付近に辿り着いたとき、俺は微かに聞こえる声に思わず足を止めた。

龍本「?…何だ?今の」

その声は、何だか喘いでいるような…行為の時に女が出すような声と似ている。

龍本「…ちょっと探ってみるか」

声は一番奥の個室から聞こえる。気配を消してドアの前に来たとき、俺はその声の主が誰なのかがすぐに分かった。

伊武「ふぅ、んんっ…!!う…あ、兄貴…!!龍本の…兄貴っ…!!」

龍本(この声…伊武じゃねぇか)

この瞬間に俺は伊武がおかしかった理由をようやく正しく理解することができた。伊武は俺のことで溜まった欲求を、自慰行為という形で晴らしていたのだ。

龍本「…伊武、俺だ。…開けてくれねぇか」

伊武「!」

数分ほど経つと、ゆっくりとドアが開き始める。俺はそれを手で押し退けると、中にいた伊武の手首を掴み、壁に押し付けた。

伊武「あっ」

龍本「…構ってほしいなら、素直にそう言ってくれれば良かったのに」

自慰行為を見られたのがよっぽど恥ずかしかったのか、伊武は顔も耳も赤くして俺から顔を背けた。いつも纏っている狂気や血の気は微塵もなく、ただ純朴で可愛らしいその姿に、俺の下腹部がキュン、と鳴った。

龍本「ん、悪ぃ…我慢…できなくなってきたわ。ちょっと身体貸せ」

伊武「だっ、駄目ですっ…!兄貴…それだけはっ…!!舎弟や兄貴達が来たらどうするんですか…」

龍本「こんなとこで一人でシてた奴が言えた台詞じゃねぇだろ。お前が声を抑えてればいい」

伊武「そんな…」


伊武「や”ぁぁっ!!//あ”っあぁ//あんっ//うぐぅっ//」

龍本「おい、もう少し声を抑えろっ…!外に、聞こえるだろ…!」

伊武「そんなの…無理ぃっ//あっ、あっ…!!//やだぁっ//兄貴//だめぇっ…!!//」

龍本「そんな風に誘うなよっ…!もっと激しくする、ぞっ…!!」

伊武「いや…嫌ぁっ//それ…いじょっ//激しく…したらぁっ…!!//あっあうぅっ//ひぁっ…!!//」

こんなに声を出していたら絶対にバレる。分かっているはずなのに、俺の中から湧いて出てくるのは欲情だけだった。

龍本「さっきも奥に入れてやったってのに、もうおかわりが欲しいのかよっ…!伊武君は豪気だなぁ…?」

伊武「ちがっ//そんなのっ…!!//そんなのっ…嫌だぁっ//」

心にもない拒否をし続ける伊武を無視して、俺は思いきり奥を突いた。ゴリュッ、という音と共に伊武がまた卑猥な声を出す。

伊武「い”やぁぁっ!!!///おく//だめ”っ//て…!!い”ってる”//のにぃっ!!//」

もう歯止めが効かない。俺はひたすら奥を突き続けた。ゴリュッ、ゴリュッ、と鈍い音が鳴るのが分かる。

伊武「あ”っ//あ”ぁっ!!///ん”っ//ひっあ”ぁっ!!///ぐぅっ!!//」

龍本「奥のが好きなんだろ?いつまで嘘つく気だ、よっ!」

伊武「いや…い”やぁぁっ!!!//ちがっ!//あ”っ…!!あ”ぁんっ!//や”めっ//とめ”てぇっ!//イ”く…!!イ”ぐっ、!!//から”ぁ”ぁっ!!//」

龍本「くっ…俺も、やべぇなっ…!!」

伊武「や”っあ”あ”あ”ぁぁぁっ!!!!!/////………あっ、あっ…あぁ…ん、はぁ、はぁ…」

龍本「っ…はぁ、はぁっ…!!」

伊武「…いっぱい、出ましたね。まさか、こんなに…出てるなんて」

龍本「まぁ、随分シたからな…」

伊武「ごめんなさい、兄貴。俺…恥ずかしくて、ずっと言えなくて…挙げ句に、あんなこと…」

龍本「今度はちゃんと言えよな。…時間が許す限り、いつでも遊んでやるから」

伊武「…はい」


一方、トイレの入り口ではというと…

阿蒜「通行止めでーす!ここには入らないで下さい!」

鮫洲「おい…コラ阿蒜!!トイレ通行止めとか!ふざけんなよお前!!!こっちは漏れそうなんだよ!てか何で交通整理の人の格好してんだよ!」

阿蒜「駄目ですよ!俺今回ばかりは死んでも退きませんからね!(龍本の兄貴と伊武の兄貴がヤり終わるまでは!!)」

鮫洲「はぁ?!お前後で俺のとこ来い!!」

阿蒜「それも嫌っすよ!!絶対殺されるじゃないですか!!」


あの後から、伊武は少し遠慮が解けたのか、二人きりの時はちょくちょくタメ口を使ったり、自分から誘ってきたりするようになった。

伊武「兄貴…いや、龍本さん」

龍本「どうした?(あ、言い直した。こりゃ誘いが来るな。)」

伊武「…今日の夜は、俺と遊んでほしいなぁ…」

龍本「またそんな顔してからに…じゃあもう今日は止めてやらねぇからな?」

伊武「ふふ…♪」



鮫洲「…阿蒜が言ってたの、マジだったんだ」

半田「おおっとぉ…こりゃあ入らない方が身のためだなぁ…」

阿蒜「俺があの日、トイレ通行止めにしてた理由、分かったでしょ?兄貴」

鮫洲「とりあえず、眉済の兄貴にバレねぇようにしねぇとな」

半田「無理じゃね?…てか伊武の兄貴、めっちゃ首に虫刺されの跡あるなぁ。タートルネックしてるのに何でだろ」

鮫洲「いや、察しろよ…流れからして理由一つしかねぇだろ」

半田「へいへい、分かってるよ。…全く、お盛んなこって…」


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