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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
2,978
「俺だって完璧じゃない。いつも余裕があるわけじゃないし…だけどひろが苦しんでるときに『助けて』って頼ってもらえる存在でありたいと思ってる」
あまりに真っ直ぐな言葉に、涙がこぼれそうになる。
でも、その温かさがかえって恐ろしくも感じる。
こんなに素晴らしいものを、今の自分が受け取っていいのかわからない。
もしそれに甘えすぎて、敦の負担になってしまったら?
敦の仕事を潰すようになってしまったら?
なにより、僕の病気のせいで、敦の夢を壊してしまったら────
考え得る可能性はいくらでもあった。
最悪の可能性ばかりが頭を過ぎる。
「でも…負担をかけすぎて、敦の邪魔になったら…ぼく、いやだ」
「そんな、これくらいでならないって」
敦は優しく否定するが、僕の不安は止まらない。
「わかんないよ…っ、しゅんの夢ずっと応援してきたのに…僕がいることで疲れさせたりしたら…」
「…だったら、半分でいい」
「…え?」
「全部じゃなくてもいいから、ひろの抱えてる苦しみや重さを、ちょっとだけでも俺に分けてほしい」
そう言いながら敦は椅子から立ち上がり、僕の横まで来ると
僕の背中に手を回して、ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
彼の胸の鼓動が、トントンと心地よく背中から伝わってくる。
「今日はもうひとつだけ伝えておくね。ひろがどんな状態でも、俺の中でのひろは特別だから。辛いときは我慢しないで。ね?」
「…っ」
ああ、本当に──
どうして敦はこうやって全て完璧に包み込んでくれるんだろう。
どうしてこんなにいい人なんだろう。
「…うっ、うぅ…ひっ、う…しゅ、しゅん……」
何度目かの感謝が漏れた瞬間、視界が滲んだ。
涙は堰を切ったように溢れ出し、敦の肩を濡らしていく。
我慢していたものが、すべて決壊したようだった。
敦は僕の頭を抱え込むようにそっと手を添えると、柔らかく抱き寄せた。
トントンと、子供をあやすように背中を叩いてくれる。
「ひろ、何も考えないで、いっぱい泣いていいんだよ」
その言葉はまるで魔法みたいに僕の心の奥に染み渡っていった。
辛くても、苦しくても、独りじゃない
敦が抱きしめてくれるだけで、そんな気がした。
「……うっ、しゅん…ありがとう」
涙と共にぽつりと漏れた言葉は震えていて、だけど確かに伝わった気がした。
「あと、ね…ご飯も、いつも作ってくれてありがとう…」
そう言うと、敦はニコッと笑って返してくれた。
「別に大したことしてないよ、俺がやりたくてやってるだけだからさ。……明日とかは、なんか食べたいものとかある?」
眼差しはどこまでも優しい。