テラーノベル
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目を閉じたベルの呼吸がゆっくりになったのを確認したレンブラントは、一度部屋を出ると両手に毛布を抱えてすぐに戻ってきた。
そしてベルを起こさぬよう、そっと掛布の上に毛布を被せる。
「フローチェは、真冬の雪山にいるくらいベルが震えてたって言ってたが……1枚で足りるのか?念のためもう一枚」
「大丈夫です。さっきより寒くないですから」
「なんだ……起きてたのか」
ぱちっと目を開けたベルに、レンブラントは溜息を吐く。
「ベル。頼むから寝てくれ」
レンブラントは、再びベルの瞼を閉じようと手を伸ばす。しかし、その手を拒むようにベルはむくりと起き上がった。
「寝ようと思ったんですが、無理です」
「無理とかそういう問題じゃない。熱があるんだ」
「ご安心ください。薬は既に飲んでます。それに……」
「それに?」
急に声のトーンを変えたベルに、レンブラントは優しく続きを促す。
「あなたに謝りたくて」
「は?……謝る?俺に??」
まったく思い当たる節が無いといった感じのレンブラントに、ベルは彼の袖をぎゅっと握る。
「ごめんなさい。たくさん迷惑をかけちゃって」
「……迷惑?」
「はい。私がお屋敷を飛び出して好き勝手なことをしちゃったせいで、予定変更を余儀なくされて……あの……なんと謝って良いのかわかりませんが、とにかく──」
「あんたなぁ」
レンブラントは厳しい声でベルの謝罪を遮ると、問答無用でベルを自分の膝の上に乗せた。
「何を謝るのかと思えば、迷惑かけた?予定変更を余儀なくされた?はっ、あんたはつくづく俺のことを何にもわかっちゃいないな」
呆れ切った口調でそう言われたベルは、意味がわからずぽかんとする。
「ベル、こういうときは心配かけてごめんなさいが正しい。まぁ……正しくはないが、さっきの謝罪よりはまだマシだ。といっても、これだって及第点はやれん」
結局のところ謝罪なんて受け入れないと言われていることに気付いたベルは、むむむっと渋面を作る。
見上げたレンブラントは、とても疲れた顔をしていた。目の下は隈ができているし、手を伸ばして頬に触れれば、髭が少し伸びててじょりじょりする。
ベルの記憶にあるレンブラントは、いつだって身だしなみに気を遣う男だった。こんな余裕のない姿、初めて見た。それってつまり──
「私のこと……本気で心配してくれたってことですか?」
「当たり前だろ?惚れた女が危険な場所にいると知った俺の気持ちを考えてみろ。心臓が凍り付くとはまさにこのことだ」
そう言ってレンブラントは、はぁーっと息を吐いた。こちらが心配するほど長い溜息だった。
日暮ミミ♪
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鷹槻れん

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#ハッピーエンド
れもん データ飛んだ人
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コメント
1件
「謝るなら心配かけてごめんなさいが正しい」ってレンブラントの台詞、すごく良かったです。普通なら「迷惑かけてすみません」で済ませちゃうところを、彼は「心配させたこと」こそ本質だと教えてる。それでいて謝罪自体は受け入れないっていう頑固さも、彼のベルのこと本当に大事に思ってる感じがにじみ出てて。疲れた顔や伸びた髭の描写で、心配してたのがひしひし伝わってきました。二人の距離が確実に縮まってる回でしたね。