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金曜日の放課後、校舎の廊下は慌ただしい声で溢れていた。
翔は友達と笑いながら教室を出るが、心のどこかで紬のことを気にしている。
一方、紬は図書室に残っていた。今日は放課後の部活動も休み、少しだけ自分の時間がほしかった。
しかし、翔が外で楽しそうにしている姿が頭に浮かぶ。
「翔…今日も楽しそうだったな…」紬は心の中でため息をつく。
そのとき、図書室に声が響く。
「紬、ちょっといい?」
翔だった。制服の袖をまくり、少し汗をかきながらも真剣な顔で立っている。
「…なに?」紬は少し驚く。
「昨日、あの…21:29のことだけど…」
二人は昨日の夜、神社のベンチで初めて「未来のこと」を話していた。
「翔、私…あの時間を大事にしたい」紬が目を伏せる。
「俺もだ。だから…今日、ここで約束したい」
翔は手を差し出す。
「学校ではお互いに距離があっても、21:29の時間だけは必ず守ろう。どんなにすれ違っても、ここで会ったら本当の自分でいられる」
紬は少し照れながらも手を握る。
「うん、私も…約束する」
その瞬間、二人の心に小さな光が差した。
21:29の時間は、もう単なる癒しの時間ではなく、二人の「未来への約束」になったのだ。
翔は紬を見つめて微笑む。
「来週も…同じ時間にここで会おう」
紬も笑顔で頷く。
「うん、必ず」
外ではまだ、二人の心の距離は微妙にすれ違うかもしれない。でも、21:29の約束があれば大丈夫。
二人だけの時間が、互いの心の支えになる。
夕日が沈み、街灯が一つずつ灯る。神社のベンチには、これからも二人の笑顔と約束が積み重なっていく。
翔は心の中で思う。「21:29…これからもずっと、お前と一緒だ」
紬も同じ気持ちで手を握り返す。「翔となら、どんな日でも大丈夫」
二人の21:29――秘密の時間は、ただの過去の記憶や癒しではなく、未来への希望と絆の象徴になった。