テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「居ない…何処にも居ない…」
トイレに行っているのかと、慌てて自分も行ってみるが
2人の姿は見当たらない
「それじゃあ、外に?」
トイレの小窓から覗いて見ると…2人が外を歩いている姿が目に写る
「!」
慌てて、自分も外に飛び出して…
2人の姿を探し回った
「佐久間、話って?」
阿部の声が近くで聞こえ、辺りをキョロキョロ見回すと
店の近くの開けた場所に、2人が向かい合って立っていた
「阿部ちゃん!」
慌てて渡辺は、声を掛け…阿部の腕をギュッと掴む
「翔太…!一体どうしたの?」
呆気に取られた2人の顔を見て、渡辺は…ふと思い出す
今の自分には、2人を邪魔する資格なんてない
また阿部を困らせて、俺は一体何をするつもりだったのか…
「ごめん。俺…あの…」
慌てて、掴んでいた阿部の腕から手を離し…
渡辺は1人で、その場から走り去る
「翔太!」
背中越しに阿部の声が聞こえたが、自分が起こした失態に
恥ずかしくて振り返る事も出来なかった…
「はぁ…はぁ…」
一体、俺は何をしていたのだろう…
佐久間の告白を、あの場で止めて
その後、何を言うつもりだったのか…
「………」
ゆっくり後ろを振り返ると、そこには誰の姿も見当たらない
阿部が追いかけて来てくれるなんて…淡い期待も打ち砕かれ
このまま帰ってしまおうかと、一瞬考えてみたが…
上着と荷物が、部屋に置いてあるのを思い出して…その考えは諦めた
「とりあえず、部屋に戻るか…」
メンバー達が周りに居れば…
先程の軽率な行動を…戻って来た2人も、追及しにくいだろうと考えて
渡辺は来た道を戻り、店に向かい走り出した
コメント
2件
