テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
____hbr side
ドシャッ
後ろで、何かが倒れるような音が聞こえた。
その音の方向からすると、さっき奏斗が帰っていた道だ。
俺が、振り返ろうとした瞬間
女の人の叫び声みたいなのが聞こえて、1人の名前を叫んでいた
「ッ奏斗くん!?ッ、ねえ、奏斗くん!!!!!!」
____奏斗、って?
『え、?』
『………は』
口から意味をなさない言葉が飛び出る
脳がそれを理解したくないのか、俺の頭の中は真っ白になっていた。
俺が振り向いた先にいたのは、
倒れて、微動だにしない___奏斗だった
________knt side
真っ暗な暗闇の中、目を覚ました。
暗闇って目閉じてるのと一緒か
なんて変なことを考える
体を起こして、あたりを見渡す。
周りは真っ暗。上の方を見てみると微かに光が漏れていた
____なんだ、夢か
「あ、起きたんだ」
その瞬間、後ろから声がした。自分とそっくりの自分じゃない声
ぞわりと背筋が凍り、ナニカから離れる
『……は、誰?』
「誰ってひっどいなあ…。奏斗だよ、風楽奏斗」
は?風楽奏斗は俺なんですけど
『…ふざけてんの?てかなんの夢これ』
流石に馬鹿馬鹿しくなって、ため息をつく。
変な夢なら早く覚めてくれ
「だーかーら、夢じゃないって。あーでも、夢って思えば夢かも?…まあそんなことどうでもいいや。とりあえず、お前はαとβの境にいる。この意味分かる?」
『…夢じゃないってなに?てかまずお前は誰なの。めっっちゃ気持ち悪いですけど』
嫌悪感を隠さずにナニカに質問すると、軽く鼻で笑われた後、グイッと距離を縮められた
「マジでお前生意気だわ。自分だけどウザイ」
「…まあ、簡単に説明すると俺は”α”の風楽奏斗」
『…………は?』
αの風楽奏斗?
何言ってんだコイツ。心底理解できない
「まーまーそんな顔しなさんな。別に人格は同じだよ。てか一緒」
「俺はお前で、お前は俺。お前の姿がコピーされただけだし。…てかこれはお前の妄想だしね」
“妄想”?”コピー”?
やばい、頭の処理が追いつかない。
でも確かに目の前には俺がいて
こうやって2人で話している
でもこれは結局俺の妄想で____
あー、考えるのめんどくなってきた
「まあ安心してよ。俺がお前の人格を乗っ取るとかそんなんじゃないし」
「てかお前は俺って言ったじゃん?この俺はお前の負の感情を具現化しただけの幻。言っちゃえばただの幻覚だよ」
『……よく分かんないんだけど。』
そう答えれば、目の前の俺は呆れたように笑って俺の周りを歩き始めた
「しかしこうやって喋れるくらいに具現化するなんて相当ストレス溜まってんだね。雲雀を好きになるのやめればいいのに」
頬を撫でられ、その手を叩き払う
すると目の前の俺は”いたーい!”と非難の声を上げた
「暴力反対ー、…あもうすぐ時間だわ」
『時間って?』
「んー?お前が目を覚ますまでのタイムリミット。あと5秒だって」
『5秒経ったら自動で目覚めんの』
「そうだよー。って話してる間もタイムリミット迫ってきてるし」
「じゃ、俺はお前の精神に戻るんで。ほな」
『は?ちょまって、まだ________』
____________
『聞きたいことが、________』
『ぇ……あ、れ、?』
目を覚ました先は、白い天井
____病室のベットだった
頭が痛む。それがうざったるくて
グシャリと髪を掻き上げた
『……てか、俺、誰と話してたんだっけ…』
記憶が霞んで思い出せない、
あれ、?さっき確かに誰かと話してたのに
その瞬間、カーテンが開く音がしてナースさんが顔を出した
「あ、起きたんですね奏斗さん。
どこか辛いところや、痛いところはないですか?」
『あ…ちょっと頭が、痛いです』
「なるほど、分かりました。今、かかりつけ医を呼んできますので待っていてください」
『はい、分かりました』
かかりつけ医って、突然変異に詳しい医者なのかな
____まあ、どっちでもいいけど
「あ、!お友達が来てますよ。渡会、雲雀、さん?だったっけ。話したいことがあるって』
『……え』
雲雀、?
コメント
10件
投稿ありがとうございます! 途中の挿絵が上手すぎてビビりましたね 貴方様が描かれたのでしょうか? 奏斗さんは幻覚を見るほど疲れているのか…恐ろしい😱
今日たくさん見れて嬉しいです!! 急に上手すぎる絵が出てきてびっくりしました!!ほんとにこんな感じの表情してたんだろうな〜って、すごいです✨
ありがとうございます