テラーノベル
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イースター島。それは太平洋にポツンと浮かんだ絶海の孤島である。
「よーし! そのままバランスを崩すなよ。傷つけないようゆっくりだ!」
博士の指示でクレーンが動き、何本ものワイヤーがピンと張り詰めた。鋼鉄製のワイヤーは、大昔の噴火でできたラノ・ララクの火山湖へ伸びている。水中にある、何か重いものを引き上げようとしているのだ。
「素晴らしい! 傷一つないじゃないか」
東京大学イースター島調査団の団長である芥田博士は、湖の底を映し出した水中カメラの様子を食い入るように見つめている。
モニターには、水中に立てられた巨大な石像が映っていた。長い顔に、大きな鼻と長い耳……。そうイースター島の石像といったら、もちろん尊の大好きなモアイ像だ。
小さな島にも関わらず巨大な顔の石像「モアイ」が点在していたことから、海に沈んだ超古代文明の名残か、はたまた宇宙人の残したモニュメントかなどと騒がれていた。が今では研究が進み、大昔の島民が作ったものだと分かっている。
しかし何のために立てられたのか? どうやって立てたのか? そしてなぜ多くのモアイが倒されたのか? 色々な説はあるが、本当のことはまだ分かっていない。イースター島全体が、未だに多くの謎に包まれているのだ。
「それにしてもこの湖底にモアイが立てられていたとは……」
芥田博士は興奮気味に呟いた。
湖底に眠る二十メートルはあるモアイ像を、東京大学から来た研究チームが発見したのだ。水中カメラを構えるダイバーが見守る中、ワイヤーで釣り上げられた像は湖の底の祭壇から引き抜かれた。そしてゆっくりと水面に顔を覗かせる。空中に吊るされたモアイを見上げ、博士は「おおっ!」と声を上げた。
「なんと! これほど巨大で保存状態のいいモアイは見たことがない!」
モアイはどこか優しくて悲しげな表情をしていた。白い石をはめ込んだ目は遠くを見つめ、鼻を膨らませている。
誰もが新しいモアイの発掘に気を取られていたその時。湖底から黒い煙のようなものが、ゆらゆらと立ち上った。それは像のあった場所から流れ出す。水中カメラにも録画されていたのだが、この時点で誰も注目していなかったのだ。
「ア……ク……アクアクッ!」
「ん? 今誰か私のことを呼んだかね?」
振り返って尋ねたが、研究員や現地スタッフはみんな首を振った。
「おかしいな。今、名前を呼ばれたような気がしたんだが……」
首を傾げながら作業に戻る。
黒い霧は湖から出ると、物陰でじわじわと大きくなり濃さを増していった。何か恐ろしいことが起ころうとしている。だが発掘で忙しい博士たちは、まだ何も気付いてはいなかった……。
「ノーク! 危な~い!」
大声で叫んだ尊は、ノークの手を引いて必死に走った。
ここがどこなのかも、どうしてこうなったのかもわからない。でもただ一つはっきり分かっていることがあった。このままだとノークたちが! 小隊のみんながやられてしまう! あの大きくて不気味な真っ黒い怪物に食べられて……!
「尊……」
「え?」
どこか遠くから声が聞こえたような気がした。
(誰だろう? ここには僕とノークたちしかいないのに……? 待てよ? もしかしてこれは夢なのか?)
#謎解き
金華にょこ
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ゆずき
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3
そんなことを思ったすきに、怪物の黒い腕がするすると伸びてくる。むんずと掴まれたマルドが、真っ先に怪物の大口に飲み込まれた。
「マルド!」
怪物は一つしかない目玉をぎらりと光らせる。
(違う! これは絶対夢なんかじゃない!)
奴の次の狙いはネールだった。どうやって不意をついたのか、あっさりと掴み飲み込んでしまう。
「ネール~!」
叫んだ尊とノークめがけて黒い腕が迫る。
「ここは拙者が食い止めるでござる!」
助けに入ったサスケの忍者刀が、魔の手を次々と斬り払う。が刀は何の手応えもなくすり抜けた。まるで影に斬りつけたみたいにだ。腕が長細く伸びて、逆にサスケの方が捕まってしまう。
「くっ、無念……」
苦しげにうめき、飲み込まれていく。
「そんな! サスケまで!?」
(こいつはなんなんだ? このままじゃ、みんなが……。もうダメ、追いつかれる!)
「お前たちは行け! こいつは俺がやる!」
尊とノークをかばい、一人で怪物めがけて突っ込んでいく。なぜかガブラはノークロボに乗っていた。
(やっぱりこれって夢……?)
敵を追い詰めていたノークロボが、突然ガクッと動きを止める。怪物がコックピットからガブラをつまみだす。
「ガブラ~!」
(おかしい。やっぱりこれは夢だ。でなきゃノークたちがこうもあっさりとやられるわけがない)
そして、ついに怪物はノークにまで迫ってきた!
「ニャォォォォォォォ~!」
彼だけは飲み込まれなかった。強烈なビームを浴びて消え失せてしまう。跡形もなく……。
「ノーク~!」
「尊……尊……」
(誰……?)
ハッと目を開く。尊は地面に投げ出されていた。
(ノークは? やられちゃったの?)
慌てて起き上がると、ビリビリと空気を震わせ何かが一直線に降ってきた。空気との摩擦で真っ赤に燃えた石像が、すぐそばに落下したのだ。衝撃で地面はえぐれ、爆風になぎ倒される。尻もちをついた尊は、落ちてきた物体をぼんやりと見つめていた。
「これは……モアイ?!」
(どうしてこんなことが?この石像は神聖で大切なものなのに……。ていうかここは一体どこなんだ?)
頭の上でまたしても不気味な落下音が響く。
空を見上げた尊は、ハッと息をのんだ。石像は一つではなかった。無数のモアイが火の雨と化し、世界中に降り注ごうとしているのだ。地上のあらゆるものを破壊するために!
日本にも次々とモアイが落下し、本間家にも巨大なモアイが……。
「うわ~っ!!」
コメント
1件
プロローグ、一気に読んだよ……! イースター島のモアイ発掘シーン、すごく丁寧に描かれてて引き込まれた。でもあの黒い煙、不気味すぎる……。 その後の夢か現実か分からない戦闘シーンで、一気に世界観が切り替わるのがめっちゃ衝撃的だった。ガブラとかノークロボって言葉が出てきて、この物語まだまだ謎だらけだね。 続きがすごく気になる。本当に面白いよ!