「ゲームの結末」
心を決めてから、どうすれば 佐伯(さえき)にまっすぐ気持ちが伝わるか考えた。
考えて、考えて。
悩んだ末に、告白する時に、手作りのクッキーを一緒に渡すと決めた。
翌日、雑貨屋に寄った私は、たくさんのラッピング用品と何時間もにらめっこをした。
これじゃ、あの人には子供っぽいかもしれないとか。
これだとシンプルすぎるかもしれないだとか。
佐伯を思い浮かべながら真剣に選んで、最後に紺色の箱とゴールドのリボンを手に取った。
そうしてクッキーを練習し始めて数日経ったある日、佐伯からメールが届いた。
話がある。会ってほしい
話というのは、きっとレンアイゲームのことだ。
ゲームが終わる予感に、スマホを持つ手が震えるけど、彼とは翌週の月曜日に会う約束をした。
前日の夜。出来あがったクッキーを箱に詰め、リボンに一文字ずつ文字を書き込んだ。
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