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※ 「あまのじゃく1・2」と対になった話です。

「ねえ由美、『瓜子姫とあまのじゃく』って知ってる?」

「また結衣のオカルト好きがはじまった!」

友人の結衣はそういって話を始めた。あたしが嫌な顔しているのに、結衣はちっとも気にしてくれない。この子はいつもこの調子だ。

「それでね、あまのじゃくっていうのは妖怪で……」

ほんと、結衣ったらマイペース。

「……で、あまのじゃくは、瓜子姫を殺して、その皮をかぶって姫になりすましたの」

「ぐろい!」

「でね、なんでこの話をしたかといいますと……」

「嫌な予感しかしない!」

そう、結衣ならきっと……

「じゃじゃーん、なんと、ネットでそのあまのじゃくが祀られている神社をみつけたの。すごいでしょう? 今日放課後行こうよ!」

やっぱり! そういうと思った。でもさあ、あたしは行きたくないんだよね……。だって、怖いじゃん。




「ここがその神社だよ!」

抵抗しても無駄だった。ま、いつものことだけど……。結衣に連れてこられた場所は、小さな山の上だった。こんなところに神社があるなんて知らなかった。というか、こんなところに来て大丈夫なのかな?

「よーし、お祈りしていこ」

「ここ、あまのじゃくが祀られているんでしょ? 妖怪に祈るの?」

「うん。だって、妖怪がいるからこそ祀られてるわけだし」

そうなんだけどさあ。なんか違う気がするんだよなぁ。よくないことが起こりそうな、っていうか……。しかたないのでわたしもお賽銭箱に小銭を入れて、手を合わせる。そして目を閉じてお願いごとをした。

(どうか、無事に帰れますように)

―――すると突然、股間に違和感があってびっくりした。急に、アソコに何かを突っ込まれたような……。でももっと驚いたことに、声が出せなくなっていた。声だけじゃない、体も動かない!どうしよう、何が起こってるの!? パニックになっているわたしをよそに、口が勝手に、『ねえ、結衣、もう帰ろう』といった。

えっ? 今の声、誰? わたし? でも自分の声とはちょっと違っていた。まるで他人の声みたいで……。しかも喋っているのは自分なのに、体が全然言うことをきかない! 結衣、気づいて、結衣!!

でも彼女は何事もなかったかのように帰り始めた。ど、どうなっちゃうの?それでも結衣と別れるまでは大人しくしていたけれど、一人になると、わたしの体は家とは違う方向に動き始めた。

何をするつもりなの?このままだとまずいことになるんじゃ……なんとか止めようとしたけど無理だった。そのうち、どんどん人気のない場所へと入っていく。やばいよ、これ絶対やばすぎるよぉ!!!

しばらく歩いていると、開けた場所に出た。そこには大きな鳥居があり、奥には古びた社が建っている。境内では子どもたちが遊んでいるのが見えた。こんなところに連れてきて、何をさせるつもりなんだろう……。不安に思っているうちに、体が勝手に動いた。

『みんなー、こんにちは!』

そう言って子どもたちに近づいた。みんな不思議そうに私を見ている。そりゃそうだよね。いきなり知らない人が入ってきたら驚くもん。

「わー、だれ?」

一番年上らしい男の子が聞いてきた。

『ねえ、みんな、お姉さんと遊ばない?』

子どもの質問を無視して、わたしの口が勝手にそういった。

「別にいいけど、何して遊ぶの?」

『宝探しとかどうかな?』

「宝探し?」

『そう。お姉さんの持ち物をみんなで隠して、それを探すの』

「おもしろそう!」

『じゃあ、最初に隠しに行く人をじゃんけんで決めようか』

「うん!」

子ども達がじゃんけんを始める。勝った子は嬉しそうに飛び跳ねていた。そして負けた子は悲しそうに落ち込んでいる。

『じゃあ、君が最初に隠す人ね』

「やったー!」

『君はこっちに来てくれるかな?』

「うん!」

『じゃあ、君が隠すお宝はこれだよ』

そういうと、私の体は勝手に上着を脱いで子どもに渡した。何やってんの、わたし!?(続く)

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