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4 - 星の降る街を俯いて歩く。

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2025年09月02日

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え?友達?えっと、私友達とかいたことないからよくわからない。」「わからないなら、わかるまで一緒にいる。また来週のこの時間、教室にいてほしい。」

「そう。私はずっといるからいつでもいいけど。」

「じゃあ決まり。またね。」

そうして僕たちの奇妙な関係が始まった。

あぁなんであんなこといってしまったんだ。気持ち悪い。今でも後悔があふれてくる。最近見てたアニメにでも影響されたか?やってしまった。でもいってしまったものは仕方がない。彼女の友達になれるよう頑張ろう。そう思いながら帰路についた。

そうして過ごした1週間。やはり彼女はひとりぼっち。ぼくとおんなじだ。教室の隅で本を読んでいるタイプ。まあ僕は本を読むのは苦手だけど。

「スースー。は!」

また寝てたみたいだ。時刻は5時32分。どれだけつまらない授業だからといって毎度こんな時間まで寝てしまうのは我ながらどうかしていると思う。でもそのおかげで二人だけで話すことができる。

後ろを振り向くとやはり彼女がいた。今日はなんて声をかけようか。

「忽那さん。今大丈夫?」

「えぇ。君が話したいって言ったんでしょ?」

「そうだよね。ごめん。」

やばい。話す話題がない。普段から人と話さないから引き出しが少なすぎる。そう思い彼女の机に目をむけると、開かれた教科書とノートがあった。そこにかかれていたのは。

「天文学?忽那さん、天文学がすきなの?」

「うん。私、天文学者になりたくて。」

「だから教室に残っていたのか。もう夢にむけて勉強できてるなんてすごいね。」

小学生の読書感想文程度の感想はおいておいて、家で勉強すればいいものを、わざわざ学校に残ってまでやっているのはなぜだろうか。家族とうまくいってないのだろうか。記憶喪失ならば、そういうこともありえなく無いか。親にとっては大事な娘だけど忽那さんにとっては赤の他人同然なんだから。まぁ、そこらへんの話題はデリケートなのでやめておこう。

「なんで天文学者になろうとおもったの?」

「えっと、前によだかの星について話したでしょ。」

「うん。よだかが星になる話でしょ」

「その星を、えっと、みたくって」

「それって実際にあるの?」

「わからない。今の研究ではよだかの星のモデルはティコの超新星だって言われているけど、私は違うと思う。だから私が天文学者になって本物のよだかの星をみつけたい。」

彼女にとって、よだかの星は一番の宝物らしい。彼女をそこまでひきつけた本。ぼくもよんでみようかな。

「そっか。素敵な夢だね。かなうことを祈っているよ。」

「う、うん。ありがとう。」

どうして素直に喜ばないのだろう。褒められ慣れていないのかもしれないな。

「今日の話はこれくらいで。私もう少し勉強したいから。」

「そうだよね。ごめん。また来週もいいかな。時間はかけないから。」

「君が望むならご自由に。」

「ありがとう。じゃあまたね。」

今日はうまくはなせただろうか。まだ距離を感じる気がする。いつになったら友達になれるだろうか。来週はどんな話でもしようか。話のネタ考えておかないとな。そんなことを考えながらうつむいたまま、夜空の中を独り歩いた。

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