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そのあとも少しの間、若井は僕の膝枕で眠り、起きた時には恥ずかしそうにごめんね、重かった?と笑った。
「おもかったよ〜」
「え、うそ、ごめんっ」
焦る若井に冗談だよ、と伝えると少し怒ったフリをしていてそんな表情も好きだなと思った。
2人で一緒に仕事場に行くと元貴はもう先に来ていた。こちらを見てにやっと笑っている。
「まぁ〜た涼ちゃんちに泊まったの?仲いいねぇ」
「だって涼ちゃんの家、落ち着くから。けど昨日はベッド占領しちゃっててごめん」
「なに、涼ちゃんが寝不足になったら困るからほどほどにしろよ」
「え···ごめん、俺迷惑だった?」
「別に僕は全然···若井がいると楽しいし。元貴も今度一緒に来てゲームしようよ」
そう言えば若井が元貴の家に遊びに行っても泊まるって聞いたことがないかもしれない。やっぱり好きな人寝るのは仲のいい関係でも恥ずかしいんだろうか。
「ゲームいいね、じゃあ俺も泊まろうかな、涼ちゃんち」
「え、ベッド3人は寝れないから、それは無理」
「なんで若井が断るのよ」
なぜか僕の家のことなのに若井が真剣な顔をして断っているのがおかしい。
元貴はいつもの高笑いをしながら手を叩いている。そしてしばらく笑ったあと、じゃあ今日も頑張りましょう、と皆で仕事モードになっていった。
いくつかの仕事が終わってすっかり夜遅くなり、各々帰ろうとしていると若井に捕まえられる。
「お疲れ様〜、どうしたの?」
「ちょっとだけ、いい?」
僕はもしかして今日も行っていい?みたいな話だと思って少し期待しながらおとなしく人気のないところにそのまま連れて行かれた。
「どうしたの?なにかあった?」
若井はしゅん、とした困ったような顔で俯いているので何か困ったことでもあったのか、と不安になる。
「りょうちゃん···俺、次から気をつける、だからこれからも泊まりに行かせて···」
「えっと···?」
「泊まりに来るなとか言わないで、俺がソファで寝るから···」
「そんなの言わないよ!」
朝からずっと元貴が言ったことを気にしていたんだろうか?もっとそんなことないと否定しておいてあげれば良かった。
「僕は若井がお泊りしてくれるの嬉しいから、今まで通り来て?それに一緒のベッドで寝よ」
なんだか変なお願いをしてしまった気がするけどそういうと若井はようやく嬉しそうににこっと笑ってくれた。
「良かった···ありがとう、涼ちゃん大好き」
「···ほら、もう帰ろう〜!明日も仕事だよ!先に帰っちゃうよ!」
僕は若井の背中をぽんぽん、と叩いてさっさと帰ろうとする。
嬉しいのにきっと一番ではない大好きの言葉が苦しくて、上手く笑えない顔を見られたくなかった。若井が追いかけてきて俺の隣にぴったりくっついてくる···そんな無邪気な若井をこのまま連れ帰りたくなった。
連れて帰って、自分1人のものにしたかった。
コメント
2件
素晴らしすぎて死ぬ😇