猫田「 呪術師、辞めたい。 」
ふと口を付いた一言。
蝉時雨だけが響き渡る教室の隅で呟いた。
思いの外聴こえていたらしい同い歳の3人が瞳を大きくしてパチパチと瞬いた。
猫田「 え何? 」
五条「 猫田ってフラっと消えそうだよな 」
家入「 凄い分かる 」
夏油「 見張っておかないとね 」
どうやら逃げ場は無いらしい。
古びた椅子をガガっと鈍い音を立てながら此方に近付けて来る。
猫田「 暑苦しい来んな 」
取り敢えず3人を追い払って緑と青で染まった外を眺める。
五条「 猫田、報告書出した? 」
嫌な言葉が飛んで来る。
聴こえていない振りも貫けそうに無い。
猫田「 否、此の私が出す訳が無い。 」
五条「 夜蛾が来ても知らねぇぞ 」
猫田「 …… 分かった、手伝え下さい 」
五条「 嫌です此の野郎 」
呪術師の日常とはこんなモノである。
要は心底下らなくて、
苦しくて
辛くて
暑くて
逃げ出したい日々。
そして
私のキラキラ輝くJKライフは消え去った。
猫田「 其れでね私思い立ったの 」
五条「 ろくな事じゃねぇだろ 」
猫田「 日記付けたらちょっとは楽しい 」
五条「 少し期待した3秒前の俺可哀想 」
と言う会話より
以下、私の日記と会話の再現である。
profile
猫 田 紡 珠
16 歲
東京都立呪術高等専門学校 1 年
3 級 呪 術 師
猫 が 何 処 か へ い く 頃 に