洞窟にはランプとかの材料を探しに来たんだけど…。
そもそも松明とかの明かりを持たないで
来たせいで薄暗くてなんだか怖い。
私の魔法に光魔法はあるけど、
目くらまし用の魔法だから
今使ったところで意味なんて無いだろう。
そういえばノルエくんは火魔法以外に
使える魔法ってあるのかな…。
「ノルエくんって光魔法使えたりしない?」
「ちょっと薄暗くて…」
「何言ってるんですか?光魔法は聖女しか使えないじゃないですか」
ため息混じりでそう言うノルエくん。
てことは私が光魔法使ったら、
結構面倒くさいことになるってこと?
流石にそれは嫌だ。
私はそう思い、
光魔法を使えることは内緒にしておこうと
心に誓った。
「じゃあじゃあ、ノルエくんって火魔法以外に使える魔法ってあるの?」
「お前って本当にこの世界の人間か?」
ノルエくんの口が急に悪くなり、
私はビクリと体を震わせた。
「ぇ?」
私がそう声を漏らすと
「流石に『当たり前』を知らなすぎじゃないですか?」
口調が元に戻ったことに安堵していると
「質問に答えて」
と言いながら私との距離を詰めてきた。
もしかして、怒ってる?
当然、私はこの世界の人間じゃないから
この世界の『当たり前』なんて知るはずが無い。
だけれど、私が転生者だということは
ノルエくんに伝えるつもりは無かった。
だから
「私、幼い頃から森で暮らしてたから…」
「街とかにもあまり行ったこと無いし、教育とかも全然…」
そうテンプレートのような言葉を綴ると
「…そうですか」
と重たい空気になってしまった。
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