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――柔らかい感触が、指先に触れていた。
ゆっくりと目を開けると、視界に入ったのは見知らぬ天井だった。
白い装飾が施された、やけに綺麗で、どこか冷たい部屋。
「……ここ、どこ……?」
体を起こすと、ふわりと長い髪が肩を滑り落ちた。
ベッドは広く、部屋も一人で使うには不自然なほど大きい。
まるで――誰かに“用意された”みたいな空間。
その違和感に気づいた瞬間、心臓が小さく跳ねた。
そして。
「……なに、これ」
ヒナの手の中に、ひとつの人形があった。
子供が持つような、小さなぬいぐるみ。
動物の形をしている――うさぎ、だろうか。
けれど。
その人形は、あまりにも“自分に似ていた”。
淡い水色の布で作られた体。
長い耳には、自分の髪と同じ色のリボン。
服も、今自分が着ているものとよく似ている。
そして何より――
あちこちに走る、雑に縫われたツギハギ。
「……やだ」
思わず、人形を握る手に力が入る。
軽い。
そして、少し力を込めれば壊れてしまいそうなくらい――脆い。
まるで、自分みたいで。
「……なんで、こんなの……」
そのとき。
――カチッ。
どこかで、小さな音が鳴った。
『全プレイヤーの皆様へ』
天井のどこかに仕込まれていたのか、無機質な声が部屋に響く。
ヒナの肩がびくりと揺れた。
『これより、ゲームを開始します』
「ゲーム……?」
嫌な予感が、じわじわと広がっていく。
『あなた方の目的は――自分の人形を見つけること』
ヒナは、反射的に手の中の人形を見下ろした。
『その人形は、この屋敷の庭園内に隠されています』
「……え」
じゃあ、これは――
『なお、手元の人形は“予備”です』
ぞくり、と背筋が冷える。
『本物は、ひとつだけ』
『壊れやすいので、取り扱いには十分注意してください』
ヒナの指先が、わずかに震えた。
『制限時間は――60分』
『見つけられなかった場合、脱落となります』
息が詰まる。
『なお、以下の行為は禁止されています』
淡々と、ルールが読み上げられる。
怪我。破壊。傷。
どれも現実味がなくて、でも妙に具体的で。
『違反した場合、身体に異常反応が発生します』
その言い方が、やけに冷たかった。
『それでは――』
一拍の間。
『ご武運を』
ブツリ、と音が途切れる。
部屋に静寂が戻った。
「……っ」
ヒナは、無意識に人形を抱きしめる。
軽くて、頼りなくて。
でも――
「……探さなきゃ」
震える声で、そう呟いた。
このままじゃ、終わる。
理由もわからないまま。
誰かに決められたルールで。
消されるなんて、嫌だ。
ヒナはベッドから降りると、扉へと向かった。
取っ手に手をかける。
一瞬だけ、迷う。
けれど。
「……行く」
小さく息を吐いて、扉を開けた。
その先に広がるのは――
“庭園”。
そして、他のプレイヤーたち。
誰が味方で、誰が敵かも分からないまま。
ゲームが、始まった。
読んで頂きありがとうございます。
この物語はいわゆるデスゲームです
主の投稿が止まってた
理由は物語を書く特訓となります。
リアル人狼ゲームもちゃんと進めます
まあ不定期ですが
この連載にはグロ表現があります
一応ワンクつけておきます