「月、見て見て!!」
そう言いながら私を手招きで呼ぶ空くん。
「なに?」
そう言いながら行った先には、
小さい棒人間のような何かが互いに
手足や首やらなんやらを、
ちぎっているところだった。
「ぇ..?」
見てる感じ痛がってる様子もないし、
腕や手足は再生している。
だけど下に落ちている、
ちぎられた頭や手足達は微妙に動いている。
なんだか気味が悪い。
「空くん、ここって色んな生き物が居るけどさ」
「うん」
「クジラって居ないの?」
「…,居ないよ」
少し黙った後、
無理して作ったような笑顔を私に向けながら
そう言った。
もしかして私、地雷踏んだ?
とハラハラしていると
「さっ、早く糧の青花のとこ行こっか」
と先に歩いて行ってしまう。
私は慌てて空くんの後ろ姿を追うも、
さっきの発言が気になって
それどころじゃなかった。
「ほら着いたよ」
そうして辿り着いた場所は大量の青い彼岸花が
一面に咲き誇ってる場所だった。
しかも、
生物たちが青い彼岸花を食べているようだった。
中にはさっき見た生物たちだって居た。
「糧の青花はね、名前の通りみんなの主食のようなものなんだ」
まじまじと青花を見ていると、
そう空くんは話し出す。
「主食ってことは他にも何か食べるの?」
「うーん…,あまりそういうのは見たことないけど」
「例外は居るよ」
「例外?」
「うん、僕とか」
「え?」
思わず声が出てしまった。
例外が空くんなのはともかく、
空くんもあの青い彼岸花を食べることに驚いた。
「どうやって食べるの?」
「料理法的な…」
困惑しすぎて変なことを聞いてしまった。
「料理法?」
空くんは少し笑いながら
「サラダとかかな」
と答える。
「ごめん、変なこと聞いて..」
「全然大丈夫だよ」
何だか水中世界の空くん、
同い年のように感じる。
話し方とか…
それとも今、目の前にいる私と話してる空くん
は現実世界の空くんとは別人とか?
深く考えすぎだろうか。
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