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第16話:「赫軍兵団の要塞への総攻撃」
🚀 シーン1:嵐の前の静けさ
星峰特区・山岳地帯の尾根上。灰色の空の下、ゼインとナヴィスは崖上から巨大な赫軍兵団の要塞を見下ろしていた。
ゼインは黒いバトルスーツを身にまとい、肩から垂れる碧色のマントが風になびいている。額には軽く汗がにじみ、蒼い瞳が敵陣を射抜いていた。
隣に立つナヴィスは、タクティカルジャケットにフラクタルの意匠が刻まれた防具を身につけていた。頬には薄く傷跡が残り、それでも青い目が冴えた光を放っている。
「この人数じゃ正面突破は無理だ。どうすんだ、ゼイン?」
ゼインは静かに答えた。
「正面なんて行くわけねぇ。俺たち、碧族だろ?」
その瞬間、すずかAIの冷静な声がナヴィスのイヤーピースに響いた。
「奇襲ルートを提示。地下通路D-12を通れば、敵のフラクタル中枢に直結できます」
ナヴィスが笑う。「まったく、頼りになるぜ。お前も“戦うAI”って感じになってきたな」
🚀 シーン2:潜入と乱戦
ギアが仕掛けたEMPフラクタルにより、敵センサーが無効化された一瞬を突き、ゼインとナヴィスは闇にまぎれて要塞内部へと滑り込む。
内部には赫軍兵団の兵士たちが多数巡回していた。全身を赤黒い装甲に包んだ彼らは、規則正しい動きで通路を警戒している。
「ナヴィス、行くぞ」
ゼインが手をかざすと、碧色の光が閃く。
《フラクタル・ブレイカー》!
光の斬撃が瞬時に走り、前方の兵士3体が吹き飛ばされる。爆風の中からナヴィスが飛び出す。
「《リバースバリア》!」
突撃してくる兵士の銃弾がバリアに当たると、逆方向へ跳ね返り敵を貫いた。
「すずか、フロアマップ!」
「表示します。ゼイン、左の隔壁の裏に高出力のエネルギー反応。恐らく、赫幹部です」
🚀 シーン3:赫の守護者との激突
隔壁を蹴破って現れたのは、赫軍兵団の中級幹部・黃嶺山(ファン・リンシャン)。全身を赫色のフラクタル鎧に包み、重力を歪めるような威圧感を放っていた。
「お前らか、噂の異端碧族共は……見せてもらおうか、その“自由”とやらをな!」
黃嶺山が叫ぶと同時に、彼の両拳から赫色の波動が解き放たれた。
「《爆砕烈掌》!」
衝撃波が通路を抉り取り、ゼインたちは吹き飛ばされる。だが、ナヴィスが即座に立ち上がり叫ぶ。
「《サンクチュアリ・コード》!」
広がる碧色の結界がゼインとナヴィスを守り、瓦礫を受け流す。
「今だ、ゼイン!」
「おうっ!」
ゼインが両腕を広げ、力を込める。
「《シンギュラリティ》!」
空間を揺らすほどの碧光が収束し、無数のコードが解き放たれる。その光が黃嶺山の鎧を砕き、彼は叫びを上げて膝をついた。
「がっ……!」
🚀 シーン4:勝利の先に
倒れた黃嶺山を背に、ゼインは肩で息をしながらナヴィスに目を向けた。
「こんなヤツが中級って……あの要塞の本体は、まだ先か?」
ナヴィスはフラクタル端末を操作しながら頷いた。
「そうみたいだな。まだ、奴らの本命は残ってる」
すずかAIが静かに告げる。
「敵中枢まで、あと320メートル。高確率で赫察総局のエースと接触します」
ゼインが口元を吊り上げて笑う。
「いいだろ。とことん行こうぜ、ナヴィス」
ナヴィスも微笑みながら言った。
「戦うなら、お前とがいい」
二人の碧色の眼差しが、赫軍兵団の最奥へと向けられた。