ゆきや、アニメハ、ばなな、奏、テトの5人はゆきや宅にて飲み会を開いていた。0時を回る頃には皆酔いが回っていた。そんな中奏が王様ゲームをやることを提案した。いつもなら微妙な反応をするであろうゆきやたちも酒のせいもあり乗り気だった。奏が準備した割り箸を、掛け声とともに1本手に取る。最初の王様はゆきやだった。
「命令なんにしよ、最初やし軽めにしとこかな」
「んー、、じゃあ1番が3番をくすぐるで」
「1番俺ー」
ばななが意気揚々と手を挙げる。テトと奏は3番でないことを告げる。4人がアニメハに視線を向ける。嫌そうな顔をしたアニメハが3と書かれた自分の割り箸をテーブルの上に置く。
「アニメハちゃんここ寝てや」
ばなながソファを叩きアニメハを呼ぶ。ソファに横になったアニメハの足の間に体を入れ込む。アニメハを逃げられないように固定したばななに脇腹をくすぐられ目を潤ませながら必死に抵抗するが意味を成さない。
「んぁっ、ばな、な、やだぁっ、、」
「……えっろ」
体を跳ねさせながら嬌声のような声を上げるアニメハに、これ以上はマズいと判断したばななは手を離し、体を解放する。荒い呼吸に乱れた服、涙で滲んだ瞳は4人に事後を連想させた。その後アニメハの呼吸も落ち着き、2巡目を始める。掛け声とともに棒が取られていく。今度の王様はテトだ。
「さっきのはちょっとアレやったし今回はそうならなそうなのにするわ」
アニメハだけがテトの言葉の意味を理解できずきょとんとしている。アニメハの、アレとは何なのかという問いに対して4人はただ乾いた笑いを返す。元々あまり細かいことを気にしない性格のアニメハは、まぁいいか、とテトの言葉を待った。
「じゃあ4番が1番にビンタで、力加減は4番の奴に任せた」
「また俺!?てかビンタとか人生で初めてされるんやけど」
2回連続での指名に顔を顰めるアニメハとは対照的に、4番である奏は楽しそうに笑っている。奏とアニメハが向き合うように座る。
「な、なぁ優しくしてや、、?」
アニメハは初めてのビンタが余程恐いのか奏の服の裾をくいっと引いて上目遣いでお願いする。まさかアニメハがそんなあざといことをやってのけるとは予想だにしていなかった奏は驚きで動きが止まる。そんな奏に何を思ったのかアニメハは、何でもするから、そう言ってしまった。
「……何でもってほんまに何でもしてくれんの?」
「俺にできることやったら何でもええよ」
なら抱かせて?と小首を傾げながら奏が言った。奏の発言に驚いたのは4人とも同じだが、アニメハは他の3人とは違い、そんなことでいいのかという正反対の驚きだった。
「え、ほんまにいいん?」
奏もまさか了承を得られるとは思っていなかったらしい。アニメハはあぐらをかいた奏の上に対面座位のような形で座る。座られた奏はへ、と間抜けた声をあげる。
「抱くって抱きしめるって事ちゃうの?」
どちらかと言えば下品なイメージのあるアニメハだが、変に純粋なところがあるのだ。真っ直ぐな目で見つめられ、違うとは言いづらい奏は肯定せざるを得なかった。
「……とりあえずビンタするわ」
ビンタというよりもはや撫でているのではないかというようなものだったが気にしたら負けだ。
「なんか危ないし次でラストにすんでー」
「そろそろ事故りそうやしな」
最終ターン。王様を引いたのは奏だった。命令を何にしようかと悩む奏の目にツマミとして置いてあったポッキーがとまった。
「じゃあ2番と4番がこれでポッキーゲームで」
「なんか嫌な予感するんよなー、、」
ゆきやの予感は見事に的中した。2番はアニメハ、4番はテトだった。テトはやる気満々にポッキーを咥えてアニメハを待つ。アニメハも躊躇いがちに顔を近づけポッキーの反対側を咥える。テトは、途中で折るつもりでいたアニメハの頬を両手で挟み、顔を動かせないようにする。他の3人が止めるのも聞かずテトはポッキーを食べ進め、アニメハの口を塞ぐ。アニメハがパシパシと背中を叩くのも気にとめずテトはさらに深く口付ける。
「んぅっ、ふぁ、、」
アニメハの身体から徐々に力が抜ける。それをいいことにテトはアニメハを押し倒す。
「ふは、アニメハさんかわい、、」
「ぅあ、?」
息苦しさや混乱から頭がまわらなくなったアニメハはとろりと溶けた瞳でテトを見つめる。3人はすっかり2人の間に流れる雰囲気に飲まれかけていた。すんでのところで正気を取り戻したゆきやがテトの頭をばしりと叩く。
「おっま、何しとんねん!」
頭を叩かれたテトは邪魔するなとばかりにゆきやをじとりと睨む。バチバチと火花を散らす2人を他所にばななと奏はアニメハを移動させる。
「俺今日ほんまに散々なんやけどぉ、、」
「テトばっかずるいんやけど、アニメハさんおれともちゅーしよ」
ばななが止める間もなく奏がアニメハの唇を奪う。奏の行動に今度はばななが切れる。カオスすぎるこの空間を制することは不可能だと判断したアニメハは諦めて寝ることにした。その行動がこの状況での一番の悪手であることにも気が付かずに、、。
コメント
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普通に天才すぎてびつくりなんやけど🤯 この後何されるんやろ...? 想像が膨らみすぎる...🤦 めっちゃ面白かったです!!