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長毛詐欺 その2!
柊威 零 🍙
瑠璃マリコ
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1.目立たないクラスメイト、
僕と君と、何もかも違う。
君はクラスのほとんどが憧れていた。
僕以外、そう。
今日も、君を呼ぶ声がする。
僕とは違って。
クラスメイト。
この大雑把な分類法で分けられた僕と君。
誰の目も気にしない。
これが僕の普通で、そしてそれは、このままずっと続いていく。
たとえ君が居ても居なくても。
「釣れない君は、後ろの席の女の子と一緒に移動教室へ誘うこともできないのかい?」
「普通、誘われていないのに、一緒になんていかないよ。」
これが、僕の普通。
「でも、私はいつも誘わなくても、誘われなくても陽菜といっしょに行ってるでしょ?」
それは、君の普通。
「僕の普通と君の普通を、一緒にしないでくれる。」
君にとって、誰とでも話せるのが普通なら、僕は違うんだ。
「何が違うの?君と私。同じクラスで隣の席。何が違うの?」
「違うよ。性格も、人間関係も、全部だ。」
あぁ、心地悪い。
2.石鹸。
初夏の昼休み。
僕と君は、水道の石鹸を取り換えていた。
廊下では、様々な話題の言葉が行き交うが、その声は僕の耳まで届けなかった。
「サボらないんだね。」
僕と違う君は、休み時間のお誘いなど
30分じゃ終えられないほどあるだろうに。
「サボらないよ。君と私が一緒だってことを証明できるまでは。」
当たり前のように、馬鹿を吐く。
「そう。じゃあ、僕が認めれば、君は委員会の仕事をサボってくれるんだね。」
「それは失礼なんじゃない?」
君は少し不機嫌そうな目つきで僕を伺う。
「サボってくれる。なんて言い方したら、君が私と石鹸の取り換えがしたくないみたいに聞こえるじゃないか。」
初めて僕は、君に指摘された。
それは煩いようで、どこか嬉しい僕がいる。
「そうかもしれないだろ。」
君と僕では、違うんだから。
「それはないね。」
「君は臆病なんだから。」
耳に残る。僕が臆病?
なにを根拠に。
「君は、僕を分かったように言うね。」
「分かっているからね。」