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魔獣ドラゴンブレイカーを倒したことで、リオとラグナは村に戻った。その後、村人たちからは感謝され、英雄として迎えられたが、リオはそれでも心のどこかに空虚さを感じていた。
「まだ、何かが足りない気がする…」
リオは村の広場に座りながら、遠くの山々を見つめてつぶやいた。ラグナもその隣に座り、リオの言葉に応じるように頭を軽く撫でてきた。
「君も感じているんだな…この平穏が、ちょっと物足りないって。」
リオはラグナの金色の瞳を見つめながら続けた。「私たちの冒険は、まだ始まったばかりだ。もっと大きな何かが待っている気がする。」
その瞬間、村の西の方から大きな煙が立ち上るのが見えた。煙は一気に空を覆い、リオはすぐにその方向を凝視した。
「何かが起きている…!」
リオは立ち上がり、ラグナもすぐに反応して翼を広げた。「行こう、ラグナ!」
二人はすぐに西へと向かい、煙が立ち上る場所へと駆けていった。途中、村人たちが慌てて逃げる姿が目に入る。何か非常に恐ろしいことが起きていると感じたリオは、さらに足を速めた。
煙が立ち上る場所に辿り着いたリオとラグナが目にしたのは、まさに悪夢のような光景だった。目の前には、巨大な魔物たちとそれを操る黒いローブの集団がいた。
「お前たちは一体…?」
リオはその集団に向かって問いかけると、黒いローブの中から一人の男が歩み出た。男の目は血紅のように赤く、冷徹な笑みを浮かべていた。
「ふっ、来るべき者が来たか…。」
男の声は低く、まるで空気を震わせるように響いた。「我々は“闇の軍団”。この世界の均衡を崩すために、暗黒の力を引き寄せる者たちだ。」
リオはその言葉に眉をひそめた。「均衡を崩す…?君たちが何をしようとしているのか、分からないが、止めさせてもらう!」
その瞬間、黒いローブの男が手を掲げると、大地が震え、周囲の空気がねじれ始めた。すると、暗闇から次々と魔物が現れ、村を襲い始めた。
「ラグナ、頼んだぞ!」
リオは魔法を解き放ち、空間を歪めて周囲の魔物を引き寄せると、一気に破壊した。しかし、魔物は何度攻撃しても、すぐにその傷を回復させるようだった。
「これ、普通の魔物じゃない…」
リオはその異常な回復力に驚き、ラグナに目を向けた。ラグナは既にその巨大な翼を広げ、空中に舞い上がると、火の竜巻を魔物たちに向けて放った。しかし、火の竜巻も魔物たちを焼き尽くすことはできなかった。
「どうなってる…!?」
リオが驚きの声を上げると、黒いローブの男がにやりと笑った。
「我々は、ただの魔物ではない。闇の力に守られ、死者の魂を呼び起こしているのだ。お前たちの力では、もはや通用しない。」
その言葉と共に、魔物たちの数は増え、周囲を取り囲むように現れた。リオは一瞬、戦況を見極めようとしたが、すでに戦いは熾烈を極めていた。
「ラグナ、今こそ本気を出してくれ!」
リオはラグナに向かって叫んだ。ラグナはその言葉を受けて、再び力を振り絞り、体全体に炎を纏いながら突撃した。巨大な火球を放つと、魔物たちは一瞬で吹き飛ばされた。
「だが、これだけでは足りない!」
リオは自分の魔法の力を最大限に引き出し、空間を歪めて時間を一瞬だけ止め、魔物たちの動きを封じた。止まった時間の中で、リオはその隙を突いて、魔物たちの心臓に直接魔法の矢を打ち込んだ。
「これで終わりだ!」
リオが放った矢は、魔物たちの心臓を貫き、次々と魔物が崩れ落ちていった。しかし、黒いローブの男は微動だにせず、その様子を冷徹に見つめていた。
「まだ足りない…。お前の力は確かに強いが、私たちの力には及ばない。」
男は手を掲げると、空が再び歪み、闇の力が集まり始めた。その瞬間、空間が裂け、まるで別次元から何かが現れようとしていた。
「このままでは、すべてが崩壊する!」
リオはその異常な力に震えたが、ラグナはすぐにその力を感じ取っていた。ラグナは空中に舞い上がり、再び力強く吠えると、全身から炎を放った。
「ラグナ、もう一度、僕に力を!君の力を全て、今こそ!」
リオの声に呼応するように、ラグナは自分の力を限界まで引き出し、巨大な炎の竜巻を男に向けて放った。その炎は、黒いローブの男を包み込み、彼が放った闇の力を圧倒的な熱量で打ち消した。
その瞬間、リオは魔法の力を一気に放出し、空間そのものを変化させた。魔物たちが崩れ、黒いローブの男が一瞬でその力を失い、倒れ込む。
「君たちのような存在には…もう、力を貸すわけにはいかない。」
リオは呟きながら、倒れた男を見下ろした。闇の軍団の指導者は、力を失い、消滅していった。
戦いが終わった後、リオとラグナは勝利を手にしたが、その疲れた体には、確実に成長した証があった。ラグナの炎の力は、以前にも増して強力になり、リオの魔法もさらに多様化した。
「ラグナ、君と一緒に戦って、僕もまた一歩成長できた気がする。」
リオはラグナに微笑みかけ、ラグナもそれに応えるように低く鳴いた。
「次に来る敵は、もっと強いだろう。けれど、僕たちならきっと乗り越えられる。」
リオは新たな冒険を心に決め、再び未知の世界へと足を踏み出した。
次に待ち受けるのは、もっと大きな試練――その先に何が待っているのか、二人にはまだ分からない。それでも、リオとラグナは共に成長し、強さを手に入れながら、どんな困難にも立ち向かう覚悟を決めたのだった。