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レッスン室の片隅。休憩時間、みことはタオルで汗を拭きながら、鏡越しにちらりと視線を送った。
そこには――いつも通り、のんびり笑うすち。
🎼👑「……なんで、あんなに楽しそうなんだよ」
思わず口にしてしまった小声に、自分で赤くなる。
だって俺は、そんな顔――見たことなかったから。
🎼🍵「ん? みことちゃん、なぁに独り言ぃ?」
すちがふわりと近づいてくる。
その笑顔に、胸の鼓動が跳ねた。
🎼👑「べ、別に! なんも言ってねぇし!」
🎼🍵「ふふっ、かわいいなぁ。……みことちゃんのそういう顔、俺すきだよぉ」
🎼👑「はっ!? な、なんでそういうこと言うんだよ!」
真っ赤になるみこと。
すちはそんな反応を楽しむように、軽く肩を寄せる。
🎼🍵「だって、俺は嘘つけないんだもん。
本当に“好き”って思った顔は、“好き”って言いたいんだよぉ」
🎼👑「……ずるい」
🎼🍵「え?」
🎼👑「俺は……簡単に言えないのに。お前はそうやって、軽く言う。……ずるいよ」
目をそらしてつぶやいたみことの声は、かすかに震えていた。
その素直さに、すちはふっと微笑む。
🎼🍵「じゃあさ、言わなくていいよ。……俺が勝手に伝えるから」
🎼👑「……バカ。ほんと、お前って……」
口ではそう言いながらも、心臓が苦しくなるほど跳ねる。
すちの笑顔を見ていると――本当に、自分が“特別”に思われてる気がして。
🎼👑(……あぁ、やばい。俺……)
まだ“好き”とは言えない。
でも、もう目を逸らせない。