テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
いつもの港。いつもの潮風。でも違った。
中型の船だった。特別大きいわけじゃない。派手でもない。それでも何かが変わるそんな気がした。
今までの海軍とも漁師とも違う。
降りてきた。体格の良い男達の中にいる。細身の人。黒い髪をハーフアップにして、前髪の一部が白い。後ろに縛られているので白い髪は弧を描くようになっている。どこかで見た天使の輪のようだった。女なのか男なのか分からない。
数日間その集団を見た。いつも誰かしらが船を掃除している。でも今日は掃除していなかった。おそらく出発だ。このチャンスを逃したくない。
走れ、走れ、
「すみません!」
細身の人に声をかけた。その人は振り返って
「どうした?」
聞いてきた。一呼吸おいて
「あの、船!船に乗せて‥ほしいです!」
その人は一瞬きょとんとして笑顔を作った。
「いいぞ。そんな珍しいものは無いけど」
手を差し出してくれた。僕はその手を取って船に乗った。
船は真ん中に甲板があって後ろは2階建ての建物、前には一階建ての建物があった。柱が3本、それぞれに大きな帆が1つずつあり、折りたたまれている。
所々修理の跡はあるが綺麗な船だ。
「立派だろ?ブロークンラーレ号って言うんだ」
「ブロークン…」
「色んな奴と戦って色んな所に行ったんだよ」
本当なんだろう。この所々にある破壊と修繕の跡が今までの軌跡を語っている。
「誰だ?その子供」
上裸の男が2階から声をかけてきた。短髪でターバンを頭に巻いている。
「船に乗りたいんだと!」
「子供に構うのはいいがそろそろ出発だぞ船長」
「船長?」
「ん?言ってなかったか、オレはペス。ブロークンラーレ号の船長だ!」
ニッと船長、ペスは笑った。
「さて、そろそろ出発だから船下りな少年。」
「え、違う」
「違う?」
「船に乗りたい」
「乗っただろ?」
「違う!この船の一員になりたい!」
僕もこの船で父さんと同じよに
「え?えぇ…」
ペスは困ったように頭をかいた。
膝を折り目線を合わせる。
「あのな、少年。この船は子供には危険なんだよ。いくら行きたいからって簡単に乗せる訳にはいかない。ルールだってある。」
諭すようにゆっくりと話す。その目は邪魔だとか面倒なんて考えていなかった。
「何でもするよ、掃除も見張りも何でも…だからお願い…」
上から見ていた上裸の男が降りてきた。
「どうした?船長」
「船に乗りたいんだと」
「船に!?」
上裸の男も困り果てたように僕を見た。
「あのな坊主、ここは子供の来るところじゃねぇんだよ。」
立ったままそう言う。
「分かってる。でもここで旅をしたいんだよ!!」
二人は目を見合わせた。
「どう思う?」
「俺は良いと思うが船長は?」
「俺も良いと思うぞ」
小声で何か言い合ったあと。
「よし少年ちょっとついてこい」
「ジェフさーーん!!」
ペスは俺を引っ張り上裸の男誰かの名前を叫んだ。
「少年、船長の俺としては君を入れるは許可したい。だが、この船は独裁社会ではない、民主主義だ。だからオレだけでは決められないんだよね」
「だから副船長のジェフさんに聞いてみるんだ」
ーーーーーーーーーーーー
「駄目だ」