テヒョンside
ジン先生がジミナに導尿をしてから、もうすぐ5時間が経つ。あの後ジミナは、案の定号泣してしまった。そりゃあそうだよね、あんなに痛いことを我慢して耐えて、やっと終わったと思ったら1日に何回もやるんだよと言われてしまったのだから…。
泣いて、怒って、ふて寝してしまったジミナの横で、僕は早く導尿をやらなくちゃと焦っていた。
「ジミナー。そろそろ起きて?」
「う、うーん。眠いんだよぅ…」
「そろそろ導尿の時間だよ?」
「………」
うっすら目を開けたジミナの顔を覗き込む。
「…イヤだ…。絶対に、イヤーッ!」
ジミナは僕に背を向け、布団を頭からかぶって隠れてしまった。かわいそうだけど、やらないわけにはいかない…。僕は布団を剥ぎ、嫌がって逃げようとするジミナを抑える。
「テヒョンのバカ!イヤだって、言ってるじゃん!はなしてよう。テヒョンなんか大っ嫌い!!」
ジミナは僕の手を振りほどこうとして、動くほうの右手をぶんぶん振り回し、足を蹴って、小さな子供のようにバタバタと暴れて抵抗していた。
僕は心を鬼にして、ジミナのズボンと下着に手を掛け、いっきに下ろす。そしてそのまま全部剥ぎ取り脱がせてしまった。
「いやーーーーっ!やめてーーー!!!」
ジミナの白くて華奢な下半身が露わになる。ジミナは泣きながら身体をよじり、右手で顔を覆い、絶叫していた…。
それを目にした僕は、我にかえってハッとした。ああ…1番やっちゃいけないことを、やってしまった。ジミナの自尊心を傷つけるようなことを…。
僕は無防備なジミナを慌てて布団でくるみ、その上から強く抱きしめた。
「ジミナごめん!俺が悪かったよ…。本当にごめん…。」
ジミナはぽろぽろと涙を流して言った。
「ぼ、僕の気持ちなんて…テヒョンには、わからないんだよ…。なんで、こ、こんな…ひどいこと、するの…?ヒック…」
「ごめん、俺…導尿早くやらなきゃって、焦ってしまって…。」
「ヒッ…ヒック…。導尿が、どんなに痛くて、惨めで…恥ずかしかったか分かる?僕はあれを、これから毎日、何回も何回もやらなきゃいけないんだよ…(泣)?」
「ジミナお願い。落ち着いてきいて?導尿が嫌なのは分かるけどさ、おしっこが溜まったら病気になっちゃうんだよ。やらなきゃ、ジミナの身体はもっと辛くなっちゃう…分かるよね?」
「そ、そうだけど、嫌だ…怖い……。」
「さっきの導尿はさ、初めてだから尚更怖かったし、ジン先生にやってもらったのも恥ずかしかったんじゃない…?今は俺しかいないよ?恥ずかしがらなくても大丈夫。だけど、もしジミナが暴れたら、先生や看護師さんを呼んできて抑えてもらわなきゃいけなくなっちゃう…それは嫌でしょ?」
「それは、絶対に…嫌…(泣)」
「それならジミナ、がんばらないと…。お願いだから、僕にやらせてくれない?ジミナが大丈夫なタイミングで、ゆっくり挿れてみるから…絶対に絶対に、さっきみたいに強引にはしない…」
ジミナの顔を両手で包み、流れ出てくる涙を手で拭いながら、僕はジミナの目を見て一生懸命に話をした。ジミナは、少しずつ落ち着いてきて、僕の目を見て頷いてくれた。
「わ、分かった…。僕がんばるから、テヒョン、やって…。」
「うん!ジミナありがとう。えらいね。」
僕はジミナの頭を撫でた。
「でも怖いな…できるかな…。がまん…動かないで…(泣)」
「ジミナならできるよ。ほら、ゆっくり深呼吸してごらん?」
僕はジミナの両肩に手を置いて、一緒にスーハーと深呼吸をした。
「ジミナごめんね?布団とるよ?じゃあ、膝を立てて、足を少し開こうね。まず洗浄綿で拭くよー。次、潤滑油塗るね。」
次はいよいよカテーテルの挿入だ…。僕は緊張して、手が震えそうだった。できる限り、痛くないように、ジミナを不安にさせないように、スムーズに…。お願い、上手く、いきますように。
左手でジミナのモノを持ち、右手にカテーテルの先端を持って、恐る恐る尿道に挿入する。
「あ…入ったよ。ジミナ痛い?」
「ウッ…痛っ…うぅー。」
ジミナは右手で僕のシャツの裾を強く握りしめて、耐えていた。
「我慢できそう?そのまま挿れてくよ?」
僕は、そろそろとカテーテルを奥に挿れていく。慎重に、慎重に…。
あ、膀胱までいったかも…と思った瞬間、カテーテルから尿瓶の中に尿が流れ出てきた。ホッとしてジミナを見ると、顔をしかめてはいたけれど、泣いてはいない。
「ジミナーうまくいった!おしっこ出てきたよ。」
尿が止まると、今度はまたゆっくりと管を抜いていく。最後まで、焦らずに、丁寧に…。
「ジミナー終わったよー。がんばったね。大丈夫?痛かった?」
「い、いや…なんか、思ったよりは痛くなかったみたい。テヒョン上手だよ。ジン先生より上手いんじゃない?」
「そんなのジン先生に聞かれたら、ジミナ怒られるよ(笑)」
僕達は、顔を見合わせ笑い合った。
「テヒョン、さっきはワガママ言って、大暴れてごめん…。導尿やらなきゃいけないって分かってたけど、どうしても怖くて…」
「ジミナ謝らないで。さっきのは俺が悪かったんだから…。導尿さ、自分でもできるように練習しようね?」
「う…ん。」
結局その日、僕はジン先生に許可をもらって病室に泊まることにした。僕がいなかったら、ジミナはジン先生や看護師さんに導尿されることになってしまう。それは、ジミナにとっては絶対に嫌な筈…。早いところ、自分で出来るようになってもらわなきゃ…。
次の導尿の時間がやってきた。
「ジミナ〜、今度は自分でやってみようね?手伝ってあげるからさ。」
「う、うん…。こわいよう(泣)」
「大丈夫だよ。ジミナお尻浮かして?」
僕はベッドを起こし、ジミナのズボンと下着を下ろす。
「ジミナさ、さっき俺がやったの見てたでしょ?大体やり方分かる?」
「み、見てない…ごめん。怖くて、ずっと目つぶってたから……」
(やっぱりジミナ、見てなかったのか…汗)
「…そっかそっか。謝らなくていいよ。じゃあほら、今から教えるから見てみ?ここの先っちょに穴があるでしょ?ここに管を挿れるからね。」
「いやーできないよう(泣)」
「ジミナ、左手でここ持って支えられる?無理かな?」
ジミナは、あまり動かない左手を必死に伸ばして自分のモノを掴もうとするけど、どうしても届かない…。
「うわぁーん…やっぱり無理だ…(泣)左手、力入らない…」
「わ、わかったごめん。そしたらさ、今回は俺が持っててあげるから、ジミナ、右手で管だけ挿れてみて?」
僕はジミナのモノを掴んで、ジミナが挿入しやすいように支えた。
ジミナは右手で管の先を挿れようとしたけれど、手が震えてうまくいかない…。
「い、痛っ。無理…入らないよう…(泣)」
「ちょっと、角度がダメなんじゃない?ほらもっとこんな感じ…。」
僕はジミナの手をとり、管を挿れるのを一緒に手伝う。
「ほら、もう一回やってみ?」
「い、痛ーーっ。あ、でも、先端、入ったかも…」
「うんうん上手だよー。そのまま、ちょっとずつ、挿れていくよ?やってみて」
ジミナは涙目で、顔をしかめながらもなんとか管を挿れていく。
「あ、奥まで、いった?」
と言った瞬間、管から尿瓶におしっこが流れ出てくる。
「おしっこ出てきたー!!やったー!!」
ジミナは、ニコニコした顔で僕に勢いよく抱きつき、僕をポンポン叩いて喜んだ。
「ちょ、ちょっとー!おしっここぼれたらどうすんの!?まだ終わってないんだよ?ちゃんと管もってて」
「ご、ごめん。うれしくてつい…」
「最後まで気を抜かないでよ!はい、じゃあ管を抜いていいよ。そーっとね。痛くない?」
「う、うん…大丈夫…」
「ジミナすごいじゃん。自分で出来たね!!」
僕も嬉しくて、ジミナの頭をわしゃわしゃ撫で回した。ジミナは得意そうにちょっと鼻を膨らませて、かわいい顔をしていた。
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