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【 黒百合(朝比奈まふゆ)視点 】
「 神代さん。急用が出来てしまって。代わりに日野森さんと一緒に指導しといて欲しいんだけれど。 」
急用。内容は言われていないが早く駆けつけて欲しいのとのこと。
ただよくある事だから私はそんなに気にかけてはいなかった。
「 場所は…川の近く。 」
小さい男の子が居た。
『 ねえお姉ちゃん!ここ、白い花が… 』
川を境に咲く花の種類が違うこともあり、すぐに見分けが着いたのだろう。
少し川越しの隣国の領地を見るとこちらの花が咲いているのがうっすらと見えた。
「 花…珍しいね。これは…隣国の…。 」
何故なのか。ふと不安が頭に過ぎる。
男の子はなにか質問したそうにこちらを眺める
「 どうしたの? 」
『 ねえ、お姉ちゃん。僕、川の向こうに行ってみたい。 』
私もそう思っていた時期はあった。だけれど無駄だと思い込んでいたが男の子の目はこれまで見てきた誰よりも輝いていた。
「 そうだね。いつか。 」
川の向こうに視線を当てる。
誰かが座っているように見えた。
相手がこちらの様子に気づいたようで川岸に近づいてきた。
『 ねえ。誰か居るよ。 』
川岸に近づいて来た人は笑顔が眩しく、手には花を握っていた
🌸「 あ、あのーーー!!!!! 」
元気の良い声が脳内に響く。
🌸「 この花!!!見たことないんですけど!!!知りませんか!!!??? 」
元気な人だな…と思いつつも少し声を張って話す
「 多分。こっちの花だと思うよ。こっちにも知らない花があって。 」
すぐに男の子が花を摘み、それを高く掲げた。
🌸「 !!!それ!!!私達の国の花なの!!! 」
知ってる。ただ初めて聞いた人のように愛想良く驚いた。
🌸「 あ!!!!あの!!呼ばれたので私戻ります!!!!またいつか!!!! 」
彼女は去っていった。
颯爽と楽しそうなことをするかのように。
彼女の またいつか という言葉が引っかかりつつ花を1輪摘んでは城へ戻る。
🥧「 朝比奈さん。お帰りなさい。あら、手に持っているのは…? 」
「 これは。川岸に咲いてて。どうやら隣国の花がこちらまで来ているみたいで。 」
大そよの推理ではあるが話して。
「 あ。神代さんにお礼言いに行かなきゃ。 」
そう言って花を望月さんに預け、訓練場に行った。
🎈「 朝比奈さん。戻ったんですね。 」
💧「 あら。お帰りなさい。用事の内容後から聞いてもいいかしら。つい気になってしまって。 」
「 構わないですよ。では休憩室で話しましょう。 」
訓練が終わった後なのだろう。片付けに取り掛かっており、邪魔しては行けないと望月さんの元へ戻る
「 望月さん。花は? 」
🥧「 そちらの花瓶に! 」
日光に当たる場所に綺麗な花瓶の中に入れられていた。
「 望月さんも話。聞いてかない? 」
🥧「 わ、私がいいんですか? 」
「 いいよ。共有しておきたいし。あと…彰人くんも呼んでおこうかな。 」
そう言って書斎に向かった。
「 彰人くん。居るかな? 」
書斎に覗き込む。
🥞「 居ますよ。 」
そう言ってドアの近くに来る。
「 少し情報を共有しておきたいことがあって。良ければ彰人くん、今から休憩室に来てくれないかな? 」
🥞「 え、俺もいいんっすか?じゃあ、ありがたく行かせて頂きます。 」
「 みんな集まったし。花の話でもしようかな。 」
🥞「 花?雑談っすか? 」
「 嫌、川岸に隣国の花が咲いていてね。 」
💧「 隣国の?白い花かしら? 」
「 日野森さんの言う通り。白い花で。そこの花瓶にいけてある花。 」
そう言って隣国の花を示した。
🎈「 謎だね。何故隣国の花が…。 」
🥧「 も、もし隣国の方がドローンか何かでとか… 」
「 それはないと思う。故意なのかは分からないけど。 」
みんなが不思議そうに考える。
「 実は隣国の子とお話を交わして。隣国にはこちらの花が咲いてたの。 」
💧「 隣国の方にも…?? 」
「 隣国とは貿易も何もしてないから出入りは無いはず。だから隣国以外のの人なのかも。 」
質問と応答が飛び交う。
そこでふと考える。
「 ねえ皆。これから少し交流してみるのはどう?橋でも掛けて。 」
川はどちらの国のものでも無いため、橋をかけるのは両国の了承が必要。
その為ここの皆で手紙を送ることにした。
この国の代表者として。
🥞「 でもこれ了承得れなかったらどうするんすか? 」
「 その時は…また別に考えよう。 」
【 美しき花咲き誇る隣国の方へ 】
先日こちらの民が珍しい花があると仰って駆けつけて見たのですが。
そちらの国も同じような状況のように感じ手紙を送らせて頂きます。
交流が数千年前から途切れており、また再スタートするいい機会だと思い、こちらから手紙を出させて頂きました。
ひとつ提案があります。川に橋を掛けませんか?
私達は以前からそちらの国に興味を持っており、其方の文化を取り入れたいと感じております。
ご迷惑でありましたらこの手紙を燃やして頂いて構いません。