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「ちぐ、明日学校休めよ」
俺が立ち上がりながらちぐに話しかける
「うぇ、?で、でもッ」
反抗するようにちぐが勢いよく立ち上がる
「でもやない、虐められたんやぞ!」
「ビクッ ぷ、りちゃん?」
怯えた目で俺を見上げる
「あ、ごめッ」
また、またあの時みたいに怯えさせてもうた
「いい加減にせえや!」
「ビクッ ぷ、りちゃん?」
「あ、ごめんッ」
「いいよいいよ、ぷりちゃんは俺の為に言ってくれてるんでしょ?」
「そ、そうだけどッ怒鳴ったのは事実やから」
「そっか、じゃあ許す!」
「なんやそれw」
「~!」
「~~~ん!」
「~~ちゃん!」
「ぷりちゃん!」
「んぁッ」
情けない声
「大丈夫?」
心配そうな上目遣い
そ、それは反則すぎるやろ、、、
ドキドキするわ
あれ、なんでやろ
彼を初めて好きになって
彼以上は誰もいないはずなのに
「あ、汗だくすぎだよ!?」
「これどーぞ!」
優しい目でハンカチを渡すちぐ
「ん、ありがと ///」
「分かりやすく照れてるw」
ふふっと笑うちぐ
「るっせー!」
「あははっw」
「そうや!」
いきなり大きな声を発する
「びっくりしたぁ、何?」
「しばらく家に泊まらへん?」
「は、?」
いままで聞いた事のないちぐの声
そりゃそうだろうなw
「家なら手当てもできるし!」
「それに、家から出たいって顔してるで?」
「そんなことッ」
「あるから言ってるんや」
「ッ…」
黙り込んでしもた
言っちゃいかんこと言ったか?
「ポロポロ」
あぁッ泣いてもうた
やっぱ嫌やったんか
「ごめn」
「いや違うのッポロポロ」
「へ、?違うって?」
「嬉しくてッポロ」
嬉しい?
「どういうこと?」
「俺、友達に裏切られてさ」
「親にも虐待受けて」
虐待?裏切られ、え?
「学校でも小中高虐められて」
「唯一裏切らなかった親友は自殺しちゃって」
自殺?虐め?
ちょっ、はぁ?
「色々あって誰も信用出来なかったんだよね」
なんで俺は
「ぷりちゃんはね、俺の親友の彼氏なんだよ」
親友の彼氏って…
「彼の親友か、お前?」
「そうだよ ニコッ」
彼の言っていたことを思い出す
「俺ね、親友が居るんだよ!」
「俺以外に?」
「ぷりちゃんは恋人!」
「ww それで?」
「その子はね、俺と一緒に虐められてるの」
「その子がそろそろ壊れちゃいそうでね」
「そっか」
「その子は俺の幼稚園からの幼なじみなんだ」
「その子は凄く繊細で」
「誰よりも努力して」
「誰よりも辛い思いを経験した子なんだ〜」
「その子はちぐさくんっていうの」
「俺とすっごく似てるんだよ」
「もし俺が4んじゃったらその子をよろしく」
「んな縁起の悪いこと言うなよw」
「だね ニコッ」
その次の日、彼は自ら命を絶った
「彼から『ぷりちゃんをよろしく』って頼まれてたんだよ」
あいつ、そんなことしよったんか
「俺は、大丈夫なのにw」
笑って泣きそうなのを誤魔化す
「本当に?」
ちぐがいきなり真剣な顔になる
「はッ?」
「なんか会った時からそろそろ消えそうだよ」
「彼が消える直前もそうだった」
「俺の感は当たるんだよ ニコッ」
辛そうに笑うちぐ
感が当たるってのはいいことではある
けど凄く辛いことなんだろうな
ちぐは繊細って彼が言いよったし
「俺、そろそろ消えようかなって思ってた」
隠しきれないと思って言う
「やっぱり」
「俺、彼に言われたんよ」
彼の背中を思い出す
「何を?」
少しづつ、忘れようとしていた記憶が蘇る
「『ちぐちゃんをよろしくね』って言われたこと」
「ぷりちゃん、俺はいなくなっちゃうけどさ」
「そんなこと言うなやッ」
「ちぐちゃんをよろしくね」
「お前が居なくなったら俺もうッ」
「えへへ、大袈裟だなぁw」
「本当に、本当にやめてくれッ」
「ごめんね、もう辛いんだ」
「ぷりちゃんなら、ちぐちゃんを幸せにできる」
「そんなことないわッ」
「お前じゃなきゃ無理やってッ」
「そいつの顔すら知らんのに、俺ッ」
「大丈夫だよ」
「ぷりちゃん、大好き ニコッ」
「…ポロ」
「ぷりちゃんッ?」
あぁ、涙が出てもうた
忘れたくても忘れられない記憶
「俺ね、同じこと言われたんだよ」
「同じこと?」
「ちぐちゃんなら、ぷりちゃんを幸せにできるってね」
「い、遺書に書いてあったんだ ポロポロ」
思い出し、ちぐが泣く
そうや、ちぐは彼の最後を見れなかった
「口頭でも言われたよ」
「ぷりちゃんをよろしくってずっとねw」
「余程大事だったんだろうなぁ」
そ、んな
「彼はね、ポロッと『死にたくないなぁ』って言ってたんだ」
じゃあなんでッ
「きっと虐めが辛かったんだろうね」
「2人分あったから」
「2人分って?」
「彼は途中から俺の分も虐められたの」
「俺がもう壊れてしまって、終わろうと思った時にね」
「大丈夫とだけ言ってその後からいじめは無くなった」
「ッなんで!なんでお前はッ」
「うるさいッ!」
「ッ、」
「俺が一番悔しいよッ」
「俺は親友に虐めをかわってもらってッ」
「なんにもできなくてッ」
「最後も一緒に入れなかった」
「俺は俺が大っ嫌いだッ ポロポロ」
やってもうた
ちぐがいっちゃん辛いはずなのに
彼にちぐを託されたのに
「ごめん、無神経な事言って、、、」
「ううん、こっちこそごめん」
「泊まらせてもらえるかな?」
「もちろん!」