テラーノベル
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俺が願うのは、蓮だ。
蓮の人生、そのものだ。
「…佐久間くん?」
よっぽど俺の方が重くて、思わず小さく笑ってしまう。
不思議そうに顔を覗き込んでくる蓮に、何でもないと首を振った。さすがにこれは、言えないよなぁ。
じっと俺の目を見つめてた蓮が不意に動いた。唇で唇をかぷりと甘噛みされたと思ったら、そのまま重ねられて舌が絡んでくる。
「んっ、ん…ふっ、あ…っ」
舌を吸われて噛まれて、口蓋も舌先で擽られる。歯列もゆっくりなぞられて、口内で蓮が触れてないところなんてきっともうない。
もう全部が気持ち良くて。自分の腰が微かに揺れてることに気付いて顔が真っ赤になった。
「はっ…ん、んぅ…ふぁ」
「…っは…だい、すけ…」
セックスの時だけ呼ばれる下の名前。それで不意に呼ばれて、肩がびくりと震えてしまう。
それを押さえるように強く肩を抱かれて、ようやくキスが解かれる。
「き、きゅうに…っ、な、に…っ」
「…だいすけが、かくしごと、するから…」
俺も蓮も息が上がってて、途切れ途切れに何とか会話を交わす。
蓮の顔を見ると不満そうに口を尖らせていて、その表情が大型犬みたいで胸の奥がきゅってなった。
ああもう、ずるい。やっぱり蓮の顔なんて見慣れるわけない。
ふぅっと大きく息を吐いて、呼吸を整えた蓮が口を開く。
「俺としたいこと、あるんでしょ。言ってよ。俺はそれが知りたいし、佐久間くんと一緒に叶えたい」
「…重い、よ。多分…」
「いいよ。その方が嬉しい。俺だって佐久間くんに縛られたいんだけど」
「え」
「佐久間くんはあんまり束縛とかしないの知ってるけど。俺にだけそれを見せてくれるなら、そんな幸せなことないじゃん」
そう言いながらふふっと笑って、今度はちゅっと優しいキスをくれた。
何それ。そんなこと言ってくれるの?
もう絶対離れられる気がしないんだけど。
蓮の首に腕を回してぎゅっとしがみつくと、「どうしたの?」と優しく笑いながら抱き締め返してくれる。
「…引かない?」
「ん、絶対引かない。ていうか、佐久間くんが何を言っても嬉しくなる気しかしない」
そう言って笑う顔が本当に嬉しそうだったから、意を決して口を開いた。蓮の耳のすぐ側で、小さく小さく囁く。
「…朝起きた時も夜眠る時も、当たり前に過ごしてる日常全部に…蓮がいて欲しい」
「それって…」
「蓮の全部、人生まで丸ごと欲しい…です」
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