テラーノベル
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「伝え終わったらすぐに移動するから〜…ねっ?」
じーっとこちらを見つめて、どうにかこれだけでも…とお願いをしてくる。
ここで断ったら絶対に後で面倒な事になる…。
…こいつ許さないからな覚えておけ。
「何が『ねっ?』なんですか…。まぁ、仕方が無いですね…伝言だけでも聞いておきますよ。」
「ふふっ、ありがとうね。」
嬉しそうに笑いながらも、そう言って席を立ち上がる。とことこ、と、こちらに近付いてくると、背伸びをし、耳元で小声でこう言ってきた。
「…今日の”精密検査”、普段よりもちゃんと対策してやって。」
そう言い終えると、背伸びをやめて元の様に立つ。表情は満足気にしていて、少しむっとしてしまう。
「…何、言って…」
「ふふっ、それじゃあね〜!」
そうして教室から出て行った庵梨。
…精密検査?
普段の検証検査とは一体何が違うのか?
なぜ星玉がそれを知っているのか?
そんな驚きと困惑から、暫くその場から動けなかった。
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