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世界は海の様に深く、暗く。 - 北冷のある日の過去

第26話 - 第二追 - 翠の四つ葉に託される思い Ⅰ -

2024年03月09日

#世界は海の様に深く、狭く。

柚來音なゆ

(…どうか、気のせいであってほしいですね…。)

あの後、庵梨が居なくなった事によって誰も居なくなった自分の席に腰掛けて用意をし、一人そんな事を考えていた。

…それにしても、どうして伝言は焔華からではなく、星玉からだったのだろうか。

伝言を伝える伝書鳩の役割を背負うのが庵梨からなのは理解出来る。あの二人は悪く目立ちたくない、と学校だと行動を起こさないから。

焔華が星玉に伝言を頼み、それをまた庵梨に頼んだのだろうか？

…いや、あの二人は学校で関わる事が少ない筈。互いに連絡が取れないから、接触の手段として直接出会う事を選択するのは分かる。

だけれど焔華の性格上、わざわざ他の人に聞かれるリスクを取ってでも接触をする事は無いに等しい。たとえ少ない確率だったとしても、それなら直接言いに来る方が確実性が高い。

…なら、やっぱり――

―――ガラガラガラ。

そう、扉の開く音が聞えた。

世界は海の様に深く、暗く。 - 北冷のある日の過去

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柚來音なゆ

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