とりあえず落ち着いたみたいなので、疑問に思っていたことを聞いてみる
「ねぇ翔太?聞いてもいい?」
「……なに?」
「なんで俺だったの?」
「………それは、っ///」
再び顔が真っ赤に染まり、俯いたまま視線があちこちに彷徨う
両手を胸の前でモジモジと動かす様子は、さながら恋する乙女のようだ
そこまで思い至って、はて、と思う
「あのさ、違ったらごめんなんだけどさ」
「…うん?」
「もしかして、翔太は俺のことが好きなの?」
「………っ!」
パッと真っ赤な顔をあげて、俺の顔を見るものの、目があって、慌てて一瞬で顔を伏せる
「やっ!その、ちっ、っ、や、、あのっ」
もう耳から首から見えるところの全てが真っ赤だ
「ああああの、その、それはっ……」
否定しなきゃだけど、否定したくないって感じかな、これは
「翔太?俺の顔を見て?」
「えっ!…っ!やっ!むり!」
パッと一瞬目が合うものの、紅がより深くなって、すぐに逸らされる
(相当かわいいな、なんだこれ)
「翔太、俺は笑いもしないし怒りもしない」
びくっと肩が震えたから、両手で翔太の手を握って、親指で手の甲を撫でる
「翔太の思ってること教えて?」
「あ、あの、その…」
「うん」
「……ひかないで?」
「ひかないよ」
「その、えと、おれは…そのっ…だから…」
「翔太、ゆっくりで大丈夫だから」
「…ふぅ、はぁ、、」
息を吸ったり吐いたり、俺の顔をちらっと見ては、また顔を伏せて
そうして繰り返すのを気長に待ち続ける
「あ、あのね、、あべちゃん」
「うん、なあに?」
努めて優しい声で返事をする
意を決したように顔をあげたが、その瞳はもう涙目だ
「…っ!あの、おれ!あべちゃんが!そ、その!…その…っ……っ……す、す、すき、……で………す……………」
最後はかなり尻すぼみになりながら、そこまで言うと、限界が来たのか、俺の両手の中から手を引っこ抜いて、顔を覆ってしまった
くぐもった声が聞こえてくる
「ごめっ、意味わかんないこと、ほんと、ごめん………バレないよ、に、してたん、だけどっ、、、ちゃんと、あきらめる、からっ、、きらいに、ならないで…っ…っ…」
もともと俺よりは小柄だけど、今日の翔太は随分と小さく見える
肩を震わす翔太を俺はそっと包み込んだ
「翔太、ありがとう。好きって言ってくれて嬉しい。だから泣かないで」
「…っ、でもっ!」
「嫌いになったりしないから、まずは泣き止んで?」
「っ、ふ、、」
そっと背中を撫で続ければ、少しずつ呼吸が落ち着いてくる
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今日、頑張って働いたご褒美ですねこれは…🥹🥹🥹🥹