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チクタクチクタク
ボーンボン
今日も人が死んでいる。
今日も僕は数えている。
死んだ人を数えている。
僕は最近考えることをしている。
僕以外にこれをしている人は
いるのだろうか?
逆に産まれる人を数える人は
いるのだろうか?
僕の世界には僕以外の人は
いるのだろうか?
色々と考えてみた。
すると
何故か心がポカポカしている。
これが楽しい気持ちなのだろうか。
ある日
いつものように数えていると
何かある。
これは?
今までで1度も
見たことがないものだった。
「なんだろう…?」
僕はそれを掴んだ。
すると
形が崩れてしまった。
強く握りすぎたようだ。
白い粒が固まっている。
黒いものが白い粒を
覆っているようだ。
中になにか入っているのか?
僕は崩れてしまった物の中を見るために
黒いものをちぎると白い粒が離れていく。
中に赤い玉が入っていた。
これがなんなのか全くわからない…
そんな時
僕はあることを思い出した。
死んだ人を数えると
その人の記憶などが本となる。
そして
本がいっぱいになると
本棚が現れ本が勝手に入っていく。
そして
その本棚は消えることはないみたいだ。
しかし
その本棚まで行く途中に
いつも落ちてきた人間を連れて行く
黒い手がいるのだ。
本棚と本があることは
昔から知っていたが
そこまで行こうとは
思ったことがなかったから
すっかり忘れてしまっていた。
危険だと思うがどうしようか…
それとも
また来るって言った人に
聞いた方が速いのだろうか?
僕が迷っていると時計が鳴る
チクタクチクタク
ボーンボン
死んだ人を数えなくては…
僕は赤い玉を白い粒の中に戻し
黒いもので覆ったもので隠した。
チクタクチクタク
ボーンボン
今日も明日も
人間は死んでいく
今日も明日も
僕は数える
この別の世界のものは
いつわかるだろうか?