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「おい!どういうことだよ」
「何でここに…」
ミリカたちは今、捕まえた人間の拷問部屋に来ている。中には誰もいないが、染みついた血の匂いが消えずに残っている。
「ここで結界を張って…」
スキル発動五感強化Lv1
これはミリカの五感強化魔法。五感を一時的に上げることができ、相手に触れると相手の情報を手に入れる事ができる。レベルが上がる事に使える条件が変化する。
ミリカは床一面に広がる赤い血に触れた。頭の中に大量の情報が入ってくる。
「なるほど、この血はエルフの少女のものか」
「さっきから何してんだ?」
「…準備完了!さあ、これで脱出できる!」
「はあ?脱出って…まさか魔王城から逃げるつもりか!?」
「その通り!アスバルトも人間を殺すのは嫌でしょ?だったら一緒に逃げない?」
「そりゃあ、逃げれるなら逃げたいけど、どうやって」
「私のスキル五感強化Lv1を使ってこの血の主をコピーするんだ!」
「コピー?」
「うん、ここで血を読み取ってスライムの能力で身体に貼り付けるんだ」
「じゃあ、何で拷問部屋に?ここじゃなくてもよくないか?」
アスバルトはこの部屋から今すぐにでも離れたいらしい。とても顔が引きつっていた。
「このスキル、今は相手の血を読み取らないと使えないんだよね。ほら、ここ以外だと、すぐ劣化が始まって骨しか残らないじゃん?だからこの部屋でコピーするしかないんだ。」
本当ならレベルを上げてからが良かったが、レベル上げにはたくさんの時間と道具が必要だ。
「なるほど…じゃあ俺も脱出してみようかな!一度きりの人生、楽しまなきゃ損だし!」
「よし!」
「だが、準備は念入りにするぞ、途中で消されてもあれだからな」
「わかった!」