私以外好きになっちゃいけませんからね
「好きです、付き合ってください」
そんな典型的な告白を俺は見つけてしまった。しかも、親友の。
「ごめんなさい、好きな人がいるんです」
今まで凪ちゃんには元カノがいたことは聞いてはいたが今現在好きな人がいるとは知らなかった。興味もないんだけど。
「ねぇ、セラフくん。アキラくんにこれ渡しておいてもらえるかな、、?」
「いいよ〜」
凪ちゃんはよくモテる。とてもモテる。今こうやって、弦楽器部の人からラブレターを渡すように頼まれるくらいには。俺が、告白現場を見つけてしまうくらいには。
「これ、弦楽器部の子から凪ちゃんに」
「ほぉ、ラブレターですか」
ピンク色の便箋はハートのシールで封されていて。きっと緊張しながらもドキドキしながら書いたものなんだろう。
「まぁ、好きな人いるので断る以外選択肢ありませんが」
「好きな人かぁ、誰ー?」
それでも、千切ったりなどしないでラブレターを丁寧に鞄にしまう凪ちゃんに、俺は気になった。誰からもモテるような顔が良くて頭も悪くない生徒会副会長が、現諜報員であり請負人を夢見る彼が惚れるような相手は誰なのだろう、と。
「秘密ですよ」
涼しげな顔で言う彼に、これ以上聞き出しても同じ言葉が返ってくるんだろうなと無駄に感じ凪ちゃんの好きな人は聞き出せないまま終わった。
「ねぇ、奏斗と雲雀。凪ちゃんの好きな人知ってる?」
今日は凪ちゃんは用事があるだとかで一緒に昼食を食べられない日。奏斗と雲雀とで屋上で3人で弁当を食べていた時だった。
「んー、知らんね。てかあいつ好きな人いるんだ」
「俺も知らないな〜。アキラの好きな人なら少しくらい噂されそうだけど」
と奏斗や雲雀も知らない様子。となると次に頼れるのは弦楽部の女子たちだ。
「ねぇ、凪ちゃんの好きな人って知ってる?」
「凪ちゃん、、あぁアキラくんのこと?」
「うん」
「聞いたことないなー、アキラくんのクラスの子なら知ってるんじゃない?うちからも聞いてみてあげよっか」
同じヴァイオリンを弾いてる女子に部活中にこっそりと聞いてみた。しかし答えは同じ。だがこう言うところで協力してくれるのが弦楽部の女子たちだった。
「お、セラフー!」
それから二日後。全く情報を得られないまま日時は過ぎ諦めかけていた頃に声をかけてくれたのはあの日協力してくれると言っていた園田さんだった。
「アキラくんの好きな人ね、はっきりしてないらしいけど2組の池田さんじゃないかって噂!」
「池田さん、、、」
池田さんは文化祭の実行委員や合唱祭の実行委員などしているのもあり、生徒会と関わる機会は多い。それでいて池田さんはとても美女だ。同じクラスだからわかるが、裏の顔など見えないほど優しく明るい女性だし、活発的でもありとても魅力あふれる女性なのは一目瞭然だ。多くの男性が彼女に惚れ、そして振られてきたのだろう。彼女は彼氏を作らない主義だと聞いたことがあるためだ。
「ありがとね、園田さん」
「いーえ!」
と言って、元気な足取りで廊下を走っていった園田さん。
「協力してやるか」
凪ちゃんは俺の親友だ。親友の恋を応援するのも、親友としての責務だ。となんかの小説か漫画で見たことがある。まぁ、どうすればいいのかはわからないわけで。
「どうすればいいと思う?」
「僕たちに聞く?それ」
恋愛に疎い俺は真っ先に奏斗と雲雀を頼った。
「んー、廊下でアキラと一緒にいる時にセラおが池田さんに話しかけて話す機会設けるとか?」
「あとはセラとアキラと池田さんでどっかいけばいい」
「なるほどね」
俺はメモ帳にメモをしていった。これは、俺にとっての初めての試み。
「頑張ってみる!」
「がんば〜」
俺は息巻いて、廊下を走っていった。凪ちゃんは今どこにいるのだろうか。
「と言うわけで最近セラ夫が勘違いしてるんですよ」
「どんまい」
はぁ、とため息をつくアキラ。今は放課後。部活動生は部活に励み、帰宅部はそそくさと帰宅し、生徒会などは放課後居残って仕事を片付ける時間。生徒会室には僕とアキラしかいない。
「なんで私が池田さんのこと好きになってるんですか!?!?」
「あれだよ、弦楽部の子から噂で聞いたんだって」
「意味わからん!!!!」
耳が痛くなるほどの大声を出し、呆れる僕に話を聞けと言わんばかりの顔を向けるアキラ。
「言えばいいじゃん、好きですって」
「だーかーら!セラ夫にはまだ早いでしょうが、やっと感情を理解し始めたのに次は恋愛だぁ?もうちょっと焦らした方が、、」
口出しをすればあーだのこーだの、黙っていればアドバイスしろ。矛盾していてしょうがない。
「でも、そろそろ動かないと取られるよ?僕のクラスにセラのこと好きな子いるし」
「は?」
「噂だと弦楽部の女子から密かにモテてるらしいじゃん」
「は?」
「その池田さんだっけ?噂だとセラのこと好きらしいし」
「は?」
だんだんと顔を顰めるアキラについ笑ってしまう。
「わかりますよ!?成績優秀、運動神経抜群、ヴァイオリンが弾けてバスケ部にも所属している、いつもは冷たいくせに人には優しくて、家庭科の実習では大活躍するほど料理もできて、滑舌がゆるい可愛いところも持ち合わせていて、かっこいいなと思ったら筆箱はすみっコぐらし!好きにならない方がおかしいくらいなんですけど!そうですけど!!」
台本でも読んでんのかと思うくらい早口で喋り倒すアキラに感心するレベルだった。
「だから、いつまで待ってんの。早く告白するなりしないと本当に取られるけど」
わかっているんだろう、アキラだって。だんだんとセラの魅力に気づく女子が増えて好きな人が奪われてしまうかもしれないって言う危機はきっとアキラが一番知っている。
奏斗の言う通りだ。もうそろそろ動き出さないとセラ夫が取られてしまう。
「セラ夫、少し話がありまして」
「ん〜?いいよん」
もう、覚悟を決めなければならない。とある空き教室。静まり返った教室にはそよ風が吹き、カーテンが揺れていた。
「何さ、改まって」
ふふっと微笑む彼。私は覚悟を決めた。
「好きでした、ずっと、ずっと。付き合ってください」
何1つ特別でない日、ありきたりな告白の文。彼の方を見ると、驚いた表情をしながらも戸惑っていた。
「ぁ、え?」
それはそうだろう。彼は私が池田さんのことを好きだと思っていたのだから。
「私は、あなたが好きで、恋人になりたいと思ってます」
「え、でも、俺。好きとか、よく、わからなくて」
「いいんです、それでも。これからわかっていきましょう」
戸惑いっても、それでも顔を赤らめている姿がすごく愛おしかった。
「ぉ、俺で、ぃいなら、、//」
その返事がどれほど嬉しいものかあなたは知らないですよね。
「好きです、セラ夫」
私は衝動のまま、セラ夫の唇にキスをした。ただ、触れるだけのキスだったけど顔を真っ赤にしているセラ夫がとても可愛かった。
付き合った。親友と。
「セラ夫、一緒にご飯食べましょ」
それからと言うもの、凪ちゃんとの距離がとても近くなった。隙あらば隣を歩こうとするし、何かと理由をつけて2人っきりの時間を作ったり。
「そんなに距離近くなくても俺凪ちゃんの隣から離れないよ」
そう言っても凪ちゃんの距離感は変わらなかった。
「知ってますよ、それくらい」
少し鬱陶しいくらい距離が近い凪ちゃん。でも、嬉しくないかと言われたらそうではない。俺は慣れてないから一回一回のボディタッチとかに戸惑いながらも恋人っていう関係に浸っていた。
そんなある日のことだった。凪ちゃんが俺の下駄箱の前に立って何かをしているのを見かけた。
「凪ちゃん?」
「!セラ夫、部活中では?」
何かを隠しているような凪ちゃんに疑いをかけてしまう。何をしてたの、何があったの、そう言いたいはずなのに何も言えないままその日は過ぎた。胸にモヤモヤを残したまま、、。
「危ない、バレるとこだった」
セラ夫の下駄箱に入ってあったラブレターを処理していると、セラ夫に見られてしまった。
『そんなに距離近くなくても俺凪ちゃんの隣から離れないよ』
(違うんですよ、セラ夫)
「そう言えばさ、セラフくんかっこよくない?私好きになっちゃうかも」
「え、わかるー!」
(私が守ってあげないと、虫がついてしまうから。虫除けくらいしないと)
セラ夫のことを守っている幸福感に私はずっと浸っていた。独占欲が人一倍強いことくらい自覚していますよ。
「私以外好きにならないでくださいね」
ある日、ふと告げられた言葉の重さも知らないまま、俺はただ頷いていた。
それから三日後、俺らは体の関係も持つようになった。初めての経験で最初は慣れなかったけど、凪ちゃんが優しく俺のことを好きって言ってくれるから、だんだん慣れてきた。
「っ、セラ夫っ♡」
「な、ぎちゃっ♡♡」
170越えの男性2人がベッドにいるんだから行為中は俺の喘ぎ声とベッドの軋む音が響いていて。その快楽に、どんどん俺は堕ちていっていたのにも気づかないままだった。
「凪ちゃん、あの人綺麗だねー」
「ひばおもしろww好きだわやっぱりww」
「奏斗のそういうところ好きだよw」
冗談のつもりだったし、本当に愛していて好きなのは凪ちゃんしかいないっていう確信は俺の中にはあったけど。その言葉1つ1つが凪ちゃんを心配にさせる原因になってしまっていた。
「最近奏斗や雲雀に好きって言ってますよね。なんでですか?」
「ぇ、いや。冗談、で」
「私以外好きにならないでくださいって前言いましたよね」
「だから、本当に好きなのは、凪ちゃんだけで、、」
「でも、私心配になっちゃった」
「ぁ、ご、ごめ、ん」
パニックになりながらも、だんだんとこちらに来る凪ちゃんに俺は少しの恐怖を抱いていた。
「お仕置き、ですね♡」
「ぇ」
「ぃ、やぁ♡♡らめ、てぇっビクッ♡♡」
半ば強引にセラ夫をベッドに連れてくる。そして強引に彼の穴へと突っ込んだ。
「なぎ、ちゃっ♡♡」
涙目にしながらこちらに懇願する様子が愛おしくて可愛らしくてもっといじめたいと思ってしまう。
「煽らない方が身のためですよっ♡」
私の腰の動きに合わせて、私の下で喘ぐ彼。ただその行動1つが、喘ぎ声ひとつが、私の興奮材料になる。だんだんと早くなっていく腰の動きに声を出すセラ夫に自分のものが大きくなる。
「ぁ、ぅぇ♡♡」
目がハート目になっちゃって。完全に快楽に落ちてる時のセラ夫は、理性もプライドも何もなくて、ただかわいく犬のように私に縋ってくる。
「はぁ、かわいい♡」
こんな狂っていて重い愛を受け止めてくれるのはあなただけ。
「私以外好きになっちゃいけませんからね♡」
違うんだ、違うんだよ。
本当はもっと純粋なsrfと激重感情愛してるskngが描きたかったんだけど欲望のまま書いたらこうなってた、、。
ちなみにこれ寄宿なんだけど、全くそんな感じなくなっちゃった。
もっと喘ぎ声練習したいな、頑張るわ
コメント
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うっは 、 好きです 。 ng ママ 独占欲 つよい ( で あってるかな 、 ? )のと srdz が knt と hb に 好き って 言ってて お仕置してる ng ママ めちゃくちゃ いいです 、 !!