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20XX年。僕達の世界は、ウイルスに汚染されていた。マスクや、ウイルスが見えるゴーグルを装着するのは当たり前。感染すると、よく分からない施設へ連れて行かれて、監禁される、そんな噂さえあった。それほど、ウイルスは危ないんだ。
いつもの、高校からの帰り道。少しだけ栄えた街。すれ違う人々はみんな、マスクとゴーグルを付けている。当たり前の光景。でも、僕は息苦しく感じて、それらが嫌いだった。何もつけてない人間を見たのは、いつだろうか。いや、家族しか見たことないかもなぁ。そんなことを思いながら、僕は1人になりたくなった。そんな気持ちになると、決まって街から少し離れた茂みに向かう。僕だけが知っている、秘密基地だ。誰も近寄らないのか、草はボーボー。ここに来ると、一気に人気が無くなる。静かで、1人を満喫出来る。でも、今日は違った。明らかに、草木の茂っているなか1箇所、窪んでいる場所がある。動物か?何がいるのか、好奇心と恐怖心が湧いてくる。僕は静かにその窪みに近づく。するとそこには、マスクもゴーグルも付けず、すやすやと眠る白髪で色白の少年がいた。同い年ぐらいだろうか?いや、というかいくら人気が無いといえ、ノーマスクノーゴーグルは危ないのではないか。僕は勇気を振り絞りその少年の肩優しく叩いて声をかける。「あの、そんな無防備で寝ていたら、病気になってしまうよ。」すると少年は少し声をあげ、目をうっすらと開いては僕を見て、「にんげん?」と、寝起きのか細い声で言った。そしてねむそうにゆっくりと上半身を起こし、目を擦りながら、「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ。ボクは、ウイルスを食べて生きているんだ。」と言った。
ぼちぼち書いていきます。若干、BLのような展開?になるかもしれません。ガッツリ恋愛系などでは無いですが、楽しんでいただけると幸いです。