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3日後。
アカデミーの前に俺は来ている。王宮を少し小さくしたような荘厳な建物が立ち並ぶアカデミーはこの国で最高水準のカリキュラムを提供する学校だ。
「ジョー・アルヴィアン?」
「ええその通りです。」
「アルヴィアンの謎の子息?想像と少し違ったな…」
「もう少し不健康な感じを想定してました?ええと、ファレル先生で合っていましたか?」
「ああそうだ。お前の担当教師で、寮への案内を任されている。」
「よろしくお願いします。ファレル先生の専門は?」
「魔術の制御と実戦向きの魔術だ。経験は?」
「あまり。俺、つまりアルヴィアンの子息の噂は聞いてますよね?俺は従者に全てを任せた孤独な引きこもりです、噂通りでしょ?」
「何で入学を?」
「侯爵位の地位を得るにはある程度の証明が必要ですからね。」
「なるほど。」
なんだろう、見透かされているような感じがする。不気味ではあるが、興味深いとも思う。興味深い。俺はそのようなことをまだ感じられたのか。
「さてここが寮だ。お前は侯爵家だから完全な個室が与えられている。何かがあったら寮の管理人に聞けよ。」
「管理人?」
「あそこにいるだろ?」
「はじめまして、マーカス・アッシュフォードです。新しくここの管理人を務めることになりました。」
「ジョー・アルヴィアンです。よろしくお願いいたします。」
「これが魔術認証機能付きのルームキーです。もし何かわからないことがあったら来てくださいね。」
「ええ、もちろんです。それでは。」
「知り合いか?」
「いいえ、違いますよ。それでは行きますね。ありがとうございました。」
そう言って俺は寮の建物内に入り、ルームキーで部屋の鍵を開ける。魔術認証はもっとも高度な認証の1つ。登録してある魔術とキーを持っている人間の魔術が一致しないと突破することができない。もっともかなり高価な認証で王宮や一部の公爵家でしか見ないと思っていたのだが。