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俺は、悪魔7兄弟が長男ルシファー。地獄の7大君主の1人でもあり、傲慢のルシファーとも呼ばれている。好きなものはクラシック鑑賞。それから、阿呆な弟達だ。意外だったか? 確かにあいつらは、阿呆で問題ばかり起こすが、良いところも沢山ある。それに、何より大切な家族だからな。兄というものは、弟達がどんなに阿呆であろうとも、可愛く見えるものだろう? まぁ、その『問題』の部分が大きすぎるせいで、いつも怒ってばかりではあるが。
で、だな。今、俺は吃驚している。目の前には、人間だと思われる男が1人。同じように吃驚した様子で俺を見ている。何故だ? 俺は確か家にいた筈…。いや、本当に…? 記憶があやふやだな。それはともかく、此処は何処だ?この男が何者かわからない以上、男から視線を外す訳にはいかない。しかし、何故、俺はこんなところにいるのだ? なんらかの呪いの影響か、転移の魔法か……。俺達兄弟に恨みを持つ者は多いからな。勿論、弟達の悪戯の可能性もあるが……。はぁ、心当たりが多すぎる。もし、俺たち兄弟に恨みを持つ者の犯行だとしたら、弟達が心配だ。一刻も早く、帰らねば。
視線は男に向けたまま、俺は嘆きの館に転移魔法を発動する。ダメか。ある程度予想はできていたが…。
「お前は誰だ?」
男が話しかけてきたようだ。俺も聞きたいことがあったし、丁度良いだろう。
「俺は地獄の7大君主が1人、傲慢のルシファー。貴様こそ誰だ? 俺を此処に連れてきたのはお前か?」
気づいたら此処に居たのだから、この男が俺を連れてきた犯人だと考えるのが順当だろう。だがこの男は俺が現れた時、確かに驚いていた。……それに、ただの人間にこんな芸当が出来るとは思えないが……。
「(地獄の7大君主…? 厨二病か…?) 俺はデイヴィス・クルーウェル。此処NRCの教師だ。」
NRC…聞いたことがないな。教師、ということは学校か。最近はディアボロの意向で、魔界に遊びに来る人間も増えたからな。此処が魔界である可能性も捨てきれなかったが…。少なくとも、魔界にはそんな学校は存在しない。ならば、此処は人間界か…。
「それから、俺はお前を連れてきてなど居ない。お前が急に俺の部屋に現れたのだ。」
やはり、そうか…。ただの人間が、俺を呼べるわけがない。
「先ほどの言葉からすると、お前は気がついたら俺の部屋に居たということか?」
俺は頷く。
「あぁ、そうだ。おそらくは、呪い、もしくは転移魔法によるものだと思うが…。」
おっと。今の人間は魔法が使えないんだったな。ここが人間界ならば、初めの口上も良くなかったかもしれない。だが、驚くべきことに、この男は魔法や呪いを知っていた。想像や空想の産物としてではなく、実際に扱うものとして、だ。
「ふむ、気がついたら此処に居たとなれば、その可能性は高いだろうな。俺のもつ魔法薬学の書にも、転移に関する記述は多くある。転移薬を作るのも不可能ではない。まぁ、お前が嘘を言っていなければ、の話だがな。」
………。少し、引っかかった。
「待て。お前は人間だろう?人間に 魔法が使えるのか?」
少し、予感がした。そんな予感は大抵当たる。
「あぁ、俺は人間だ。無論うちの学園には人間以外の生徒も多数在籍しているが…。あと、魔法が使えるか、だったな。魔力の量に差はあるが、殆どの人間が使えるな。……そんなことを聞いてどうした?」
これは、おかしい。背筋が冷たくなった。此処は、否、この世界は……。
「此処は、、、何処、だ…?」
「? さっきも言っただろう?此処はNRCの俺の部屋だ。」
あぁ、嫌な感じだ。心がざわめく。
「そうではない! この世界は何だと聞いている!」
「ステイっ!落ち着け! 此処はツイステッドワンダーランド。……世界の根幹にも関わるそれを知らないとは、、、、お前は一体何者だ?」
あぁ、これは、まずい。