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HOPE LAND
第1話 虫
虫
それは小さき生命(いのち)
幼き人によってその命を絶たれたり、酷い場合は忌み嫌う存在となっている虫もいる。
ゴキブリ…ムカデ…イモムシ…
カブトムシ…クワガタ…蝶…
この世界には多種多様な虫が存在し、生きている。
そして、その虫の中には少々…いや、とてつもなく不可解な”虫”がいる。
その”虫”は明らかに他の虫の種とかけ離れた知能、力を有している。
簡単に言うと”人間”にとても近しい存在だ。
その虫達を
我々は”魔虫”と呼んでいる。
外は暗い。
家の窓から見てみると、空は真っ黒に塗りつぶされていた。
でも、少し遠くを見てみると街灯の光がかすかにその黒色を照らしていた。
ガタ…
少年は窓を見るのをやめ、椅子から離れる。その音で母が起きてくるのではないかと思い、耳をすませたが、母が寝室から出ようとする音は聞こえなかった。
安心したあと、家の玄関の前に立つ。
今までこの家で過ごした記憶が、脳内で流れてゆく。
一通り流れ、今、この瞬間より少し前の記憶が流れ始めた頃で「はっ」とした顔になる。
少年は急いで家の玄関の扉から外へ出た。
………ガチャ…
細心の注意を図り、扉を閉める。
閉めた後、少年は後ろを振り向いた。そこには、とても見覚えがある道路、街路樹、目の前にあるおもちゃ屋………のハズなのに、今まで外に出たことない時間に出たせいか、まったくの別世界のように思えてくる。
少年は右の方向へ歩いた
しばらく歩いていくと、真夜中だというのに中が光で溢れている建物が見えてきた。
その建前の吊り看板にはこう書かれている。
『BAR』
BARと言っておきながらも、何故か外にまでどんちゃん騒ぎの音が聞こえてくる。
キィ…
少年はその建前の扉を開ける
アーーハッハッハッ!
ウヒヒィーーッ
バカ!それはおれの酒だっつぅの!
あまりにうるさいので、入った後にすぐ耳をふさいだ。
酒場に子供がいることに気が付かないほど酔っているのか、みんな自分のことを全然気にしていない様子だ。
奥のカウンターに、知っている人が見えたのでそこへ駆け寄った。
「ねぇ!」
一声かけると、その人は振り向いてこちらを見た
一瞬いつもの感じで話しかけようとした素振りを見せたが、「え?」と戸惑っていた。
まぁそりゃそうだよね、酒場に子供が…いや、こんな時間にいることに戸惑ってるのか。
『ハッハッハ!お前もう反抗期か?さすがに早すぎるぜ!まだ”13歳”のガキなのに!!』
「反抗期じゃないよ!」
少年は言い返した。
「そうかなぁ?ほんとにぃ?」と声に出さなくてもわかるような顔で相手はこちらを見ている。
少年は少しムカッとした顔をした
『………で、なんでこんな時間に?もう0時過ぎてるぞ?』
口髭と顎髭、モサモサの毛をわさわさと動かしながら喋ってきた。
「…………おれね、旅するの!
お母さんには言ったら猛反対されちゃって、だから」
口髭のおじさんは遮るように言ってきた。
『抜け出してきたのか?こりゃとんだ悪ガキじゃねぇかハッハッハ!……でもいいねぇ、”旅”か…やっぱ男はそうでなくちゃな、男なら内なる野心に抗えねぇことぐらい知ってるぜ』
「っ!…だよね!!」
少年の目には光が一つ
見えないだけで、無数に輝いているのかもしれない。
『……ここへは旅たちの挨拶に来たのかい?でも外は暗ぇぞ?どうだ、この酒場で泊まってったら………』
「ううん、朝になるとお母さんが探しにここに来るかもしれないから、自分もよく来てたし」
『そうかそうか、それもそうだな、でも13歳のガキがこんな時間に外も危ねぇもんだな…』
口髭のおじさんが「う〜〜む」と悩んでいると、遠くからおじさんを呼ぶ声が聞こえた
『おーい!主人っ!酒をくれ!!さっきのと同じ「マニアン」でな!』
『「マニアン」か、おう!任せとけ!!』
年ににあわない大声でそう返した
数秒もたたないうちに、酒を届けにカウンターを出ていった。
ワイワイガヤガヤ
しばらくして、酒場内のワイワイとした雰囲気が変わる。
まるで一瞬のうちに化学変化でも起きたかのように
パリンッ
大きなビンの割れる音が店内に響く
みんな、酒を飲む手を止めていた
タッタッタッ
その中、一人だけ足跡を響かせていたものがいた。
それがこの”少年”である。
すでに人混みができており、
「どよどよ」とした感じだ
『オイ………なんだこの酒は…?オレが頼んだのは”ヒューモッツ”って名の酒だ…なのに”マニアン”だとっ?』
『いや……さっきおたくは確かに”マニアン”と言ったぞ、おれの耳が悪いっていうんなら、その”手”でおれの耳を掃除してくれたら助かる…』
少年は人混みをかき分けて、一番前に行こうとする。
ただの好奇心…子供ながら特別意味はない。ただ知りたいだけである。
「ッ!」
ただの衝突と思っていた。
「人と人との衝突」
だが、少し違った。
「虫と人の衝突」だったのだ。
『”掃除”……掃除だと?まさかお前、おれを舐めてるな?この爪…木材なんざ片手で簡単に「べきっ!」と折れるんだぜ…』
『そんな脅ししてる暇があったらそれを実行してみたらどうだい?』
酒場の主人………口髭のおじさんは強めの態度をとっている。
“魔虫”………かつての虫の特徴を備え持ちながら、人間と同じ知能を持ち、体も人と同じ大きさか…それ以上
魔虫と人とでは、力の差が大きくありすぎている……
コメント
3件
あっ、これめっちゃ気になる世界観!!「魔虫」って人間に近い知能と力を持つ虫がいるんだ…少年が夜中に家抜け出して酒場に行くシーン、ドキドキしたよ〜!口髭おじさんとの会話、温かくてほっこりしたのに、最後の「虫と人の衝突」で空気一変…ビン割れる音からの緊張感がヤバい😭💦 旅立ちの決意と魔虫の脅威、続きが気になりすぎる!!✨
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