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#溺愛
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「なんですって、皇帝陛下から直々の呼び出し?」
風呂上がり、濡れた髪を拭いている私の元に、アンナが手紙を持ってきた。
『我が息子カイルと共に、至急謁見室に参上することを命じる』
(……やったわ! これ、確実に「臨時ボーナス」のフラグじゃない!?)
私はアンナを急かし、最速で身支度を整えると謁見室へ向かった。 扉を開けると、そこには既にカイル殿下がいた。彼は私を一すると、氷のように冷たい声で言い放った。
「遅い」
(仕方ないでしょ、お風呂入ってたんだから。……はいはい、相変わらず人前では『氷の皇太子』を完璧に演じるってわけね)
そこへ、威厳を纏った皇帝陛下が秘書官を伴って入室してきた。
「ソフィア、よくやった。侍女長の横領を暴いたのは、実に見事な手腕であった。押収した大量の金貨は、全て国庫へ戻させた。そこでだ、ソフィア……お前には――」
(キタ……! さあ言いなさい、その押収した金貨を全額あなたに贈る、と! それさえあれば、私は即座に退職(離婚)して皇宮からおさらばよ……!)
「その金貨分を予算としてやる。カイルと協力し、貧民街の救済活動(ボランティア)に当たるよう命じる」
「…………は?」
「お前は贅沢三昧の悪女だと言われてきたが、今回、少しは見所があった。だが、まだまだ足りん。これからは聖女を見習い、民に慈悲を見せるのじゃ。ちょうど一ヶ月後は建国祭。それまでにスラムの状況を改善させ、民からの支持を取り戻せ。いいな、お前が主導となって民を救うのじゃ」
(……ガーン。ご褒美が『さらなる仕事』!? しかも、一ヶ月!? 短すぎでしょ! ……私の退職金(金貨)が、速攻消えたんだけど……!?)