テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ワンナイトラブ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「――少々、おふざけが過ぎるのではなくて?」
(ふざけんじゃないわよ!! あのクソジジイ(皇帝陛下))
夫婦の寝室にやってきたカイル殿下の前で、私は持っていた扇を叩きつけんばかりの勢いで問い詰めた。
「なぜ私がボーナス(報奨金)もいただけず、追加の残業(慈善活動)を押し付けられるというのかしら? ……あまりに理不尽ではございませんこと?」
「ソ、ソフィア……。言葉を慎め。外に聞こえるではないか」
「あら、聞こえて何か不都合でも? あなたのお父様でしょう、何か進言してくださってもよろしいのではなくて?」
(予算だけ丸投げして『あとはよろしく』だなんて、ブラック企業もいいところよ!)
殿下は困り顔でため息をついた。
「……致し方なかろう。父上は一度決めたことは梃子でも曲げぬ頑固者なのだ。……それよりも、ソフィア……今日はその……夜の方はどうなのだ?」
「はぁ? 本日はこれにて解散、私は寝させていただきます」
(腹が立ちすぎて1ルク分のやる気も出ないわよ)
私が背を向けてベッドに潜り込もうとすると、彼が焦ったように私の手首を掴んだ。
「……っ。待て、勝手に終わらせるな! ……わかった。ならば、俺の皇太子枠の予算から、お前に何か贈ろう。現金は無理だが、宝石やドレス……欲しいものがあれば言ってみろ」
私は、風のような速さで彼に向き直った。
「あら。私、怒りがあっという間に霧散いたしましたわ。……では、宝石店で一番大きくて豪華な(=一番換金しやすい)ものを買ってくださるかしら?」
「交際費として年間1000万ルクまで決済できるからな。……しかし、そのような大金をつぎ込んだことはない。父上に何と言われるか……」
カイルがためらいを見せた瞬間、私は迷わず殿下に抱き着いた。
「……決済権があるのに使わないなんて、宝の持ち腐れでございますわ、殿下」
私はドレスの裾を大きく広げ、困惑する彼の膝の上に跨がった。
「ソ、ソフィア……! 貴様、何をっ!?」
「ええ。今夜はわたくしが、1000万ルク分の価値をたっぷり教えて差し上げますわ。……殿下がいつもお元気すぎるものですから、私も本気を出さなくてはなりませんわね?♡」
私は彼の唇を深い口づけで塞いだ。