テラーノベル
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朝になり、二人でソファーに隣同士で座った。
「昨日の夜の続き」
『…うん』
仁人の手を優しく包むように握った。
そして俺は、言葉を置く場所を探す。
『ん〜、何つーだろ…仁人は、、多分限界だったんだと思う、。』
「……」
『誰かを傷つけるとか、そういう方向じゃないよ。ただ、自分に厳しすぎた、』
仁人は、黙って聞いている。
『全部を一人で背負おうとして、笑って、平気なふりをして。特に、俺らメンバーの前なら余計にそういう風にいた』
「…ごめん…覚えてない、、」
『そうだと、思う…』
だから、核心だけを伝える。
『あの日な、仁人は俺に…俺に助けてって言った。』
「……」
『俺も早く気付けば良かったのにな、笑ごめん。ちゃんと見てるはずだったのに…全然見えてねーじゃん、、』
言葉は仁人ではなく自分に言い聞かせるようだった。
だんだんと目に大きな雫が溜まっていく。
仁人の目にも自然と
そして指先が震えながら仁人は優しく言った。
「俺、言った、?助けてって、言えてた、?」
『言った。ちゃんと俺に』
握る手をさらに強めた。
『だから俺は、そばにいたし、話も聞いたし、名前も何回も呼んだし、離れなかったよ』
「……それで」
『それで、仁人は眠った。多分、先に睡眠薬飲んでたんだと思う。』
説明は、これ以上いらない。
ただでさえ思い返させたくなかったのに。
人には誰だって見せたくないもの、見られたくないものはある。
家族でさえ、メンバーでさえ教えたくないもの知られたくないものが。
でもきっとあの日の仁人は、本能的に助けを求めたのだろう。
胸の奥がじんと痛む。
覚えていないのに、事実だけが残る。
「…俺、、弱かった、?」
『違う』
「俺が忘れてるのは、弱かったから、?」
勇斗は、首を横に振った。
『違うから』
「じゃあ何、?」
『俺に守られたから。仁人がちゃんと俺に助けを求められたから。』
額に、 ゆっくりキスが落とされた。
そして優しく包み込まれ、鼻に勇斗の匂いが掠める。
『忘れていい。 覚えてなくていい。大丈夫、俺が守ったから。 でも、俺がそばにいた事実だけは、残して。次はすぐに助けを求められるように 』
俺は、息を吸って、勇斗の服を掴む。
「…次は」
『うん』
「ちゃんと、言う」
勇斗は、少しだけ笑った。
『それでいい』
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