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…ここは何処だ?
あぁ,そうか…捕まったのか
ふと視線を右に映すと
「…誰君」
『あっ…えーーと……照矢です』
「…名前じゃない,君が何者か聞いてる」
『…うーん……そうだなぁ…』
考えているのか沈黙が続く
何だこのお気楽は…イラつくな
『僕は何か目が特別らしくて…』
『か,監視されてますーー!』
とVサインした小僧に手が出そうになった
『君は?』
「…アイツらの仲間に言う訳無いだろう,知りたいなら向こうに聞け」
『えぇ…1週間前に此処に来たから何も教えてくんないんだけどな……』
「知らん」
会話するだけ無駄だ
『そんなにツンツンしないでよ…話し相手が君以外居ないの…』
「黙れ五月蝿い」
『えっえぇ…』
しょんぼりと視線を下に落とす照矢が全てうざったらしい
クッソ…父親が向こうを殺しただけで俺も巻き添えとか意味分からん
…いや父親が闇使いだの何だの言われてたし…
俺も適性があるのか
いや,そうか
というかどうやって此処を…
羽根が生えてる男とか抹茶みたいな髪のババア居るし
いっその事自殺するか?
『ねぇ!』
「喋んな」
『君は今からどうしたいの?』
「日本語が分からないのか?」
何度も何度も話しかけて来る
本当に鬱陶しい
あーーーもう
『ねe「うゼェんだよ黙れ!!!!!」』
怒鳴ってしまった
最悪だ
クソババァみたいに怒鳴らないって決めてたのに
最悪だ
ただやっと黙り込んだ
ハァハァと肩で息をしながら部屋の隅に座り込む
チラリとお気楽が此方を見たのでギロリと睨み付ける
まさか此奴と同部屋なのか?
本当に,これからが無い事を祈るしかない
午前1時半
辺りはまだ暗い
目を凝らすと何かが動いている
右に移動したり左に移動したり…
アレックス,彼はジョギングをしていた
あの人に言われたのだ
『お前って鍛えてそうなのにヒョロガリだよな』
突拍子も無く言われた言葉
確かに,確かに,ヒョロガリだけど!
割と筋肉はある方だ
あの人がやばいだけだ
あの鍛え上げられた筋肉
そして自由自在のように動く手足
そして!化け物のような運動神経
何か能力に関係してそうだ…と思ったのにその予想は大きく外れた
「あの子の能力は…ありませーーん!」
あんだけ何かとんでもない事実があるように間を置いてアレなのでちょっとイラっとした
マジで何であの子ココに居るんだよ…
と様々な思考を巡らせていた
そして
何か居た
彼処に来たのが5年前,そして今は丁度20歳
あの時はやばかった
怒りと恐怖でずっと手が震えて居た
あの女…….…のせいで………人生がめちゃくちゃに,あっ,ゴミの事を思い出したら駄目だ
そんで何か居た
人間なのか分からない,そんな気配
段々近づいて来てる気がする
一歩下がり警戒する
『おい』
二度見した
綺麗な二度見だと思う
「ぎゃ、
叫びそうになった
ただソレを察知してか首を絞めて来た
周りをチラチラ見て警戒している
俺が落ち着いたのを確認しゆっくりと首から手を離す
人差し指に唇を当てる,静かにしろって事か
何か知っているのだろうか,そもそも何故ココに居るんだ?
しばらくしてからハァーーと溜息をついたあの人
『説明する暇は無い』
アレックスが言う
「分かった」
着いて行こうとしたが『来なくて良い。』と言われた.
何故かかなり必死に見えた
とりあえず頷いて,帰る事にした
きっと,何かは分からないがすぐに帰って来るだろう
そうやって自己解決し決めつけていた
朝,起きた
カーテンを開ける
スタスタと廊下を歩くと血生臭い匂いがする
俺と同じ人達 だ
1人の高校生程の女の子が視界に入る
両腕は包帯でぐるぐる巻きだ
目が合った
「こっち見んじゃねぇよぉおおおおおお!!」
泣き叫びながら怒り狂った彼女
周りは当たり前とでも言うようにスルーして通り過ぎて行く
その中に俺も居た
あの人は居なかった
次の日
居なかった
次の日も次の日も居なかった
レイさんに聞いてみた
本人も分からないらしい
双子が寂しがっている
最近,暑くなってきた
あの人が来てから大体半年くらいか?
あの人,記憶喪失っぽいから迷子になってたり……流石に無いか
前に分かりません,てわざわざ言ってたから気になって聞いた
『そもそもの話だが思い出す以前に少しでも思い出そうとすると………めちゃくちゃイライラするんだよ』
『それでも思い出そうとしたら部屋中が引っ掻き傷や血でやばくてな,』
はぁ、と心底面倒くさそうに言う
彼女が喋っている時,歯がキザ歯なのに気づいた
とても鋭くて…色々とあまりにも人間離れし過ぎ少し距離を取るレベルだった