越えちゃった

困った。

渡辺にとって男と付き合うのは、変なことなんだ。

まぁ、普通に考えるとそう思うけど。

宮舘は自覚したのだ。

胸がツキンとなるのは、「好き」だから。

宮舘は渡辺が「好き」なのだ。

だが、変なことなんだ。

言えなくなってしまった。

告白しようかと思っていたのに。

悩んでいる。

言いたいけれど、変なやつと思われる。

嫌われる可能性が高い。

でも、「好き」になってしまった。

珍しく、目黒が宮舘に近づいてきた。

目黒ーだてさん。

宮舘ー何？

目黒ー翔太くんのこと、好きでしょう？

宮舘ー・・何で？

目黒ーこの間、食事に誘ってオッケーもらったらガッツポーズしてたし。

翔太くんが、「涼太」って呼んで欲しいと言うんだって言ってたし。

宮舘ー付き合ってんの？

目黒ーそれも聞いたんでしょ？

宮舘ー変なこと言うなって叱られた。

目黒ー俺は応援してあげる。

宮舘ー何で？

目黒ー翔太くんには、だてさんみたいな面倒見のいい人がいたらいいから。

宮舘ーお前は？

目黒ー俺はガサツだし、友達だから。

渡辺が、控え室から出て来た。

目黒は、宮舘に小さく頷いて渡辺のところへ行った。

目黒ー翔太くん。

渡辺ーん？

目黒ーだてさんが、美味しい晩ご飯作るから食べに来てだって。

渡辺ー涼太、作ってくれるの？

宮舘ーう、うん、作る。

渡辺ー食べる。

宮舘ーじゃあ帰ろう？

渡辺ー目黒は？

目黒ー俺はまだ仕事。

渡辺ーじゃあな。

目黒ーまたね。

宮舘と渡辺は帰って行った。

きっと、美味しい晩ご飯を作るだろう。

目黒はちょっと笑いながら、次の現場に向かった。

宮舘の家。

渡辺ー涼太、何作ってくれる？

宮舘ー何食べたい？

渡辺ー涼太の作るのは、何でも美味しい気がするから作りやすいのでいい。

宮舘ーじゃあ、チキンパスタどう？オニオンスープ付き。

渡辺ーそれでいい。目黒と何話してた？

宮舘ー翔太に美味しいもの、たくさん食べさせてって。

渡辺ーふ〜ん。

晩ご飯を食べながら、宮舘は聞いてみたくなった。

怒って帰るかもしれない。

宮舘ー翔太。

渡辺ーん？

宮舘ー付き合ってる人いないよね？

渡辺ーいないけど？

宮舘ー俺、翔太のこと好き。

渡辺ーはぁ？

宮舘ー考えてくれる？

渡辺ーお前が俺を？

宮舘ーうん。

渡辺ー幼馴染みだぞ？

宮舘ーうん、だけど好き。

渡辺ーん〜。

宮舘ー翔太のそばにいたい。

渡辺ー別にそばにいるくらいいいけど。好きならどうしたい？

宮舘ー抱きしめたいし、キスしたいし、気持ちいいことしたいし。

渡辺ーうわ〜本気？

宮舘ーうん、本気。

渡辺ーちゃんと考えた方がいいんだな？

宮舘ーうん。

渡辺ー分かった、コーヒーくれ。