もし、今ここで隕石が落ちてきたらキミはどうするー?
そんなくだらない話をし始める君。
君は例え話が好きだ。
前は「もし恐竜が生きてたら〜?」
その前は
「もし今大地震が起きたらー?」
『あー。そうだな。』
と適当に返事をするだけで本を読み続ける。
その日は、それだけだった。
涼しい図書室で、君と僕で
ある日君は
「もし、私が病気で死んじゃうって言ったら、どうする?」
いつもと違う声に本を見るのを止め、君の顔を見てしまった。
君はいつもの明るい笑顔じゃなく悲しそうな、泣きそうな顔でこちらを見ていた。
『…君が死ぬわけないだろ。』
そう言うと君は一瞬泣きそうな顔をした後、明るく笑い、
「そうだよね〜。 」
数日後、君は学校に来なくなった。
家が近いということもあり、手紙を届けに行った。
「あの子、今入院していてね。あの子がどうしても言いたくないって言うから学校には体調不良って言ってるんだけど…」
入院。
その言葉で先日のことを思い出す。
あの時は、きっと
「何かあったのか?」とか
「悲しいよ」とか、そういう言葉をかけるべきだった。
でもきっと、君は生きて帰ってきてくれるよね。
また、もしも話を聞かせてくれるよね。
そんな期待を裏切り、
数日後、君のお母さんから、君が死んだという報告を受けた。
もし、僕が君に恋をしていたと言ったら、信じてくれるかい?