テラーノベル
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殺してやりたいほど憎いとは、こういうことなのだろう。
というか俺自身、一度殺された身なのだ。殺し返したいと思うのは当たり前のこと。
だからこそ、俺は今日を警戒していた。
「旧国」という立場からしか見てあげられない自分を心の底から呪った。
旧国と現国。その差はあまりにも惨く、残酷で、何かの間違いで崩れるような甘いものではない。
ザザ、と砂嵐が少し聞こえた。音質が心配だ。聞き取れなければ、今日朝早くから目を覚ました意味がない。
さりげなく確認を挟みつつ、なんでもないように、自分の席で時を過ごす。
どうせ、この教室で、新たに仲良しごっこを始める者など存在しない。
––––「管理したい」と思い始めたのはいつからだろう?
全てにおいて抜け目のないように、完璧に、手中に入れておきたい、と。
そう考え始めたのはどれくらいからだろうか。
兄弟が死んだ時か?
俺が死んだ時か?
その姿を見た時だろうか。
死んでしまわないだろうか。
俺が少しでも目を離していつのまにか隣からいなくならないだろうか他の奴らから攻撃されないだろうかされなかったとしてもどこかで傷ついたりしないだろうかまた俺の前から消えないだろうか同じ絶望を味わわないだろうか奪われたりしないだろうか壊されないだろうか嫌だヒビ一つも入れたくない綺麗なまま側にいて欲しい俺からいなくなるな俺を拒絶するな拒絶する奴なんて、
俺の弟じゃ––––
?「日帝! 珍しくボーッとしてどうしたんね?」
ハッと日帝は目を見開いた。
顔を向ければ、そこには満面の笑みでこちらを呑気に覗き込むイタリア王国の姿がある。
陸(日帝)「……何でも無い」
イタ王「何でもないが1番気になるんね⁉︎ ずっと気を張ってる日帝がボーッとしてるなんて、絶対何かあるに決まってるんね!」
?「イタ王、相変わらず元気だな」
大声で日帝と話すイタ王に、どこか冷酷さを感じるような、それでいてイタ王に対する信頼のこもった声が降った。
パッとイタ王は、声のした方を振り返る。
そして満面の笑みを浮かべ、そちらへ駆け寄った。
イタ王「ナチ! ioはいつでも元気なんね〜!」
ナチ「日帝も、イタ王の相手疲れそうだな」
イタ王「なんてこと言うんねナチ⁉︎」
陸(日帝)「……先輩」
日帝も顔を上げて、ナチと目線を合わせた。
相変わらずの光のない目に、日帝は心の中で(さすが先輩)とつぶやく。
そして、ノイズしか流れなくなった左耳に苛つきを覚え、眉間に皺を寄せた。
ため息をついて、そっと左耳から何かを外す。
黒く鋭く光るそれを、日帝は懐にしまった。
日帝(あぁ、今日も)
––––早く教室から出ないとな。
現国、旧国とはまた違った学年。しかしその学年は、かなり、いや大分人数が少なく見えた。
そして、にこにこと笑顔でいながら、内心同じことを思う者が3人。
海(抜け駆けは許さねぇよ、兄弟の考えてることくらいわかる)
空(教室来る前に日本の様子見といてよかった〜、本当は僕だけで行きたかったけど、今回は、焦って盗聴器仕掛けた陸が仲間はずれってことでw)
にゃぽん(お兄ちゃんたちよりも、私の方が日本と距離近いもんね……まだ危険はないかな)
と、こんな感じに、日本家の日本以外の頭の中は、ほぼ日本のこと一色。
海、空、にゃぽんは、現国や旧国とはまた違う存在のため、違う学年に割り当てられている。
全員、特に何か話すわけでもなくぼんやりとしていると、
突如、
と、何かが割れるような音が響いた。
ビクリ、とにゃぽんは肩を振るわせる。
にゃぽん「な、何の音⁉︎」
そんな時、現国たちの教室では。
北朝鮮「……え」
韓国「は……っ?」
日本「えっと……その……」
割れた窓ガラス、日本に覆い被さる韓国、韓国を受け止めきれずバランスを崩し、後ろにいた北朝鮮に背中をもたれる日本、日本を受け止めたが、衝撃で窓ガラスを割った北朝鮮。
つまり、日本が北朝鮮と韓国にサンドウィッチされていた。
というか日本はほぼ押し倒されたも同然である。
話は少し前に遡る––––。
コメント
6件
(っ’ヮ’c)サイコウカヨォォォォォォォォォ!
お〜日帝が日本を監視してる〜( ╹▽╹ )カワヨ尊い✨️この作品マジ神ってますね✨️ぶっちゃけ1話見て惚れたんだもん(*´ω`*)しかも毎話見る度にニヤけて家族に引かれてる☆ヤンデレ最っ高!いいぞ…どんどん日本に依存しろ…そういう呪いをかけてやろう(?)ヒッヒッヒッヒ(キショ)そして朝鮮兄弟と日本!どうしたんだ!取り合いか!?いいぞ!もっとやれ!(妄想)
どうしたどうした⁉️