テラーノベル
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公開授業参観から一週間。6年4組に訪れたのは、静まり返った「地獄の跡地」だった。
あの日を境に、保護者たちからの怒りと抗議は学校全体を揺るがし、クラスは事実上の崩壊を迎えていた。家に帰って親から烈火のごとく怒られ、あるいは涙ながらに絶望されたクラスメイトたちは、麻痺していた脳みそが冷や水を浴びせられたように、ようやく覚醒し始めていた。
(((((俺たちは、なんてことをしてしまったんだ……)))))
中学受験の推薦は取り消され、他クラスの生徒からは「4組のヤバい奴ら」とバイ菌のように避けられる。自分の人生が、あの一瞬の悪ノリで木っ端微塵に破壊されたことに気づいた時、クラスメイトたちの「歪んだ笑顔」は、一瞬にして夏太(なつた)への「凄まじい憎悪」へと変わった。
「おい、夏太。お前、どう落とし前つけるんだよ」
放課後。かつて夏太の腰巾着として笑っていた吉村が、今度は一番に夏太の机を蹴り上げた。周囲を取り囲むクラスメイトたちの目は、かつてないほど冷酷で、不快なものを見る目に変わっていた。
「あ? なんだよ、お前らだって笑ってただろ……!」
夏太が必死に虚勢を張るが、その声は震えていた。
「笑わされてたんだよ! お前がハブるぞって空気出すから、みんな合わせるしかなかったんだ! お前のくだらない下ネタのせいで、俺の人生はめちゃくちゃだ!」
「弥(わたる)たちにあの言葉を無理やり教え込んで言わせたのもお前だろ! 最低の犯罪者!」
昨日まで夏太が周囲に浴びせていた「逃げ場のない言葉の暴力」が、今度はそのまま、何倍もの質量になって夏太自身に突き刺さる。
かつて真面目だった女子たちも、今度は「夏太が生理的に無理」「あいつがいるだけで吐き気がする」と、全校生徒に向けて夏太の悪評を流し始めた。
その波及は4組だけにとどまらなかった。
次の日から、全校生徒が夏太を「不快なターゲット」として扱い始めたのだ。
夏太が廊下を歩くだけで、他クラスの生徒たちが「うわ、お盛んくんが通るぞ」「近寄ると汚い汁がうつる」とクスクス笑い、すれ違いざまに露骨に鼻を覆う。下駄箱を開ければ、教科書に彼自身が落書きしていたような卑猥な言葉が、今度は「夏太への悪口」としてびっしり書き込まれていた。
「やめろ……! 来るな!!」
夏太は耳を塞いで叫んだ。しかし、かつて彼が弥たちに「笑わなきゃ頭が壊れるぞ」と追い詰めたあの地獄を、今度は自分自身が、誰一人味方のいない孤独の中で味わうことになったのだ。
教室の隅で、その凄惨な因果応報の光景を、如月翔(しょう)と大神蹴介(しゅうすけ)は見つめていた。
夏太は完全に自業自得だった。だが、夏太をリンチしているクラスメイトたちの目もまた、かつての濁ったままだ。誰一人として本当の意味で救われてなどいない。
翔の視線の先では、弥も、賢太(けんた)も、翅(つばさ)も、夏太が罵倒される姿を、光のない死んだ目のまま、ただ「あはは……あはは……」と機械的に笑って見つめていた。彼らの壊れた心は、夏太が破滅してもなお、泥水の底から戻ってきてはいないのだ。
「翔、行こう」
蹴介が静かに言った。
「あいつの王国は終わった。……でも、俺たちの戦いはこれからだ」
「あぁ……」
翔は拳を握りしめ、死んだように笑う幼馴染たちの元へ歩き出した。
絶対的な王が失脚し、不快な雑音だけが響く教室で。壊れてしまった3人の心を取り戻すための、翔と蹴介の本当の泥泥の救出劇が、ここから始まるのだった。
コメント
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わー!第4話、めっちゃ重くて胸に刺さったよ…😭💔 夏太に因果応報がきたのは「これでもか!」ってくらいスカッとしたけど、代わりに壊れた弥たちが戻ってきてない現実が切なすぎる…。翔と蹴介がこれから本気で救いに行くってラスト、めちゃくちゃ続きが気になる!!