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廃屋の外で赤い瞳が不気味に光る中、拓真と亮太は急いで窓際から離れた。
「奴ら、もうすぐ入ってくる!」亮太が短剣を握りしめる。
「戦うしかない……でも、手を抜け。あの人みたいにまだ意識が残ってるかもしれない。」拓真が声を潜めて言った。
廃屋の扉が破壊される音が響き、狼男たちが乱暴に押し入ってきた。その姿は以前の男と同じように筋骨隆々で目は赤く輝いているが、どこか無機質で、命令に従う兵士のようだった。
「ただの化け物じゃない……何か統制されてる。」亮太が気づく。
その時、突如として廃屋の上空にヘリコプターの音が響き渡った。投光器の強い光が二人と狼男たちを照らす。
「全員動くな!」
ヘリから拡声器で声が響くと同時に、狼男たちが一斉に動きを止めた。
「何だ……?」拓真が狼男たちを見つめると、彼らの背後からスーツを着た男が現れた。
「ようこそ、反逆者たち。」スーツの男は冷たい笑みを浮かべながら言った。「我々はこの国の未来を守るために存在する。」
「未来だと?」亮太が怒りを込めて問い詰める。「こんな化け物を使って、一体何を守るっていうんだ!」
男は肩をすくめた。「理解力がないな。我々は政府直属の特別機関『アルファ・プロジェクト』。この狼男部隊は、人間の進化を促進させるための兵器だ。」
「兵器……だと?」拓真は言葉を失った。
「そうだ。この国を脅かす内外の敵を一掃するための完璧な兵士だ。」スーツの男は冷たく言い放った。「そのUSBを持ち出した男は我々の裏切り者。彼が余計なことをしなければ、君たちも巻き込まれなかっただろうに。」
亮太は拳を握りしめた。「ふざけるな! こんなやり方で国を守るなんて、誰も望んでない!」
「望むかどうかは関係ない。」男は無感情に言った。「君たちにはこれ以上の干渉を許さない。捕らえろ。」
狼男たちが再び動き出し、二人に迫ってくる。