TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「本当に集まりましたね。2人ともご協力ありがとうございました。ルイス、人数を集められたこと、これからのあなたが人生でつまづいた時思い出してください。ルイ王子、流石です。職業、年齢、予想できる生涯収入、どれも欲しかった情報でした。最強のサポーターです。今から、トラブルになりそうな組み合わせを意識して作っていきます」


声をかける友人もいなかったルイスが必死に集めた貴族達、ルイ王子が相変わらず想像以上の仕事をしてくれたこと私が無駄にしないようにしなければ。


「イザベラ、手伝えることがあればいつでも言ってください」

ルイ王子は知れば知るほど私より年上かと思えるほどの包容力がある。


「ルイ王子が集めてくれた貴族令息たちの中で手が早い男はいますか?あとアバズレ令嬢もいたら教えてください。夜の部に配属します。婚約関係にある2人も教えてください。同じ部に入れます。ちなみに、当日は皆さんに仮面をつけてもらおうと思います。カップルになった瞬間外すのです。自分の婚約者が最後他の方とカップルになっていたら、その場でトラブル発生です」


「イザベラ、お前流石にそれはまずいと思うぞ。俺、懇親会と言って貴族に声かけたから、仮面をしろと言われたら戸惑われるんじゃないかと思うんだが⋯⋯」


確かに彼の集めたメンバーは貴族の重鎮ばかりだ。

早朝ゲートボールの部は流石に仮面は不自然かもしれない。


「なぜ、新しい出会いの場だと言わなかったのですか?今の相手に少しでも不安があるなら、どうぞ参加してください、良い夢見られますよと言った感じにお色気たっぷりにほくそ笑みながら誘わなければダメじゃないですか」


ルイスは女性経験豊富そうな色気がありながら、実は遊んでいないのかもしれない。

明らかに交友関係も少なく陰キャ疑惑さえある。


別に陰キャは恥ずかしいことではない、友人がいないことも良いことばかりだ。


「小さな太陽」とか呼ばれているから陽キャだと思われたいのだろう。

陽キャは軽くて信用できない、結婚するなら陰キャそれが39年間生きてきて私が出した答えだ。


「イザベラ、申し訳ございません。僕も同年代との交流会と言って声を掛けてしまいました。今まで話したことない人と話すための道具として、仮面を配るのはどうでしょうか? 貴族令息や令嬢達の男女関係を調査していなかったことも僕の準備不足でした。もしこの会が失敗してもイザベラのせいではなく準備不足の僕のせいです」


ルイ王子はまたネガティブに失敗する時のことを考えていた。

しかし、同時に仮面を被る口実の新提案をしてきているのだから有能だ。


「私の男性経験を甘く見ないで頂きたい。あなた達のような無垢な王子などお手玉にして放り投げるくらいの経験値は備わっています。今、持っている情報でもクズ男と流されやすいバカ女は十分見つけられます。お2人ともそのような顔をなさらないで。あなた達にはイザベル・バーグがいるってことをいつも心に留めておいてください」


兄ルイスとルイ王子は私を尊敬の瞳で見つめていた。

これが育ちの良さと言うものなのだろうか、2人ともはっきり言って素直すぎる。

兄ルイスは人集めに苦労したのか、もう何がなんだかわかっていない錯乱状態に陥ってそうだ。


「この事業に成功したら、アカデミーに通わなくてもよくなりますね」

私は起業して成功したら中退するという法則を思い出した。


中退するくらいなら、最初から入学しなければ良いのに不思議なものだ。

そんな無駄な入学金があるなら、格好つけていないで賽銭箱に大量の万札を無言で投げ込んでおくべきだ。


「イザベラ、アカデミーは怖くない。俺が守ってやるから一緒に通おう」

お色気次期国王、ルイスはなぜだか私の味方になっていた。

明らかに、狂ったイザベラを守る使命感にかられた顔をしている兄ルイス。


つい、この間まで私と弟の婚約破棄を欲していたのは私に惚れていたのかと疑うほどの急展開。

今まで粗末に扱われていた私は、なぜか投げやりに雑に振る舞ってもこちらの世界では大切にされていた。


「兄上、僕がイザベラを守ります。イザベラのしたいことの全てを僕に叶わせてください」


ルイ王子も明らかに私に惚れ込んでいた。

私はこの世界に来てから、珠子プライベート弄ばれ時代以上に自然体で動いている。


珠子とイザベラの違いは雰囲気美人でよく見るとブスである珠子、誰もが羨む可愛い見た目を持っているイザベラといったところか。


「見た目が良いとこんな得があるのですね。中身とか関係なかったじゃないですか。女性誌の中身を磨く特集読んでた時間は無駄でしたね。私の世界に戻れたら、出版社に損害賠償を請求します」


そのような損害賠償が成り立つのは、ジャンク食べまくりの自分が悪いのに店に損害求めても許されるアメリカぐらいだ。


それでも39年間、時には男に好かれたく振る舞い弄ばれてきたのに、見た目がよくなったら自由に振る舞っても好かれる現状に失望した。



loading

この作品はいかがでしたか?

7

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚