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琥珀
51
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#からぴちBL
りと。@就寝中
2,226
第14話『ずっと先の未来』
デートの帰り道。
少し遠回りをして、俺たちは夜景の見える場所に来ていた。
街の明かりが、きらきらと輝いている。
ya「……綺麗だな」
no「そうですね」
隣に立つなおきりさんを見る。
ya「……なおきりさんは、こういうところよく来るの?」
no「いいえ」
ya「え、そうなの?」
no「誰と来るかが大事ですから」
ya「…………」
no「ゆあんくん?」
ya「……そういうこと、さらっと言うなって」
no「本当のことですから」
さらっと。
本当にさらっと言う。
俺ばっかりドキドキしている気がして、なんだか悔しい。
ya「……俺ばっか好きみたいじゃん」
冗談っぽく言ったつもりだった。
でも。
no「……それは困りましたね」
ya「え?」
なおきりさんが、俺の方を向く。
no「僕の方が好きだと思っていたので」
ya「…………は?」
no「違いましたか?」
ya「ちょ、待って……!」
思わず顔を覆う。
絶対わざとだ。
この人、絶対わざとやってる。
no「ふふ。冗談です」
ya「絶対嘘だろ……!」
no「さて、どうでしょう?」
そう言って笑うなおきりさん。
けれど、次の瞬間。
その表情が、ほんの少しだけ真剣になった。
no「……ゆあんくん」
ya「……なに?」
no「これから先のこと、考えたことはありますか?」
ya「これから先?」
no「はい。何年も先の未来です」
俺は少し考えてから、答えた。
ya「……あるよ」
no「どんな未来ですか?」
ya「……なおきりさんがいる未来」
言ってから、急に恥ずかしくなった。
ya「……わ、笑うなよ」
no「笑いませんよ」
なおきりさんは、俺の手を取った。
no「……僕も同じです」
ya「……ほんと?」
no「もちろん」
繋いだ手を、優しく握り直す。
no「楽しいことも、辛いことも。これから
先、いろいろあると思います」
no「思い通りにいかない日もあるでしょうし、喧嘩をすることだってあるかもしれません」
ya「……喧嘩?」
no「ええ。僕だって、いつも正しいわけではありませんから」
ya「……なんか意外」
no「そうですか?」
ya「なおきりさんって、なんでも余裕そうじゃん」
no「ふふ。そう見えるようにしているだけですよ」
ya「……え?」
その言葉が、少しだけ引っかかった。
なおきりさんは、遠くの街明かりを見つめながら続けた。
no「君の前では、格好つけていたいんです」
no「頼れる人でいたいですし、君が困ったときには安心して頼ってほしい」
no「……でも、僕だって不安になることはありますよ」
いつもは余裕たっぷりで、俺が何を言っても笑って返してくれる人。
そんななおきりさんが、不安になることもあるなんて。
ya「……何が不安なの?」
no「そうですね……」
少し考えたあと、なおきりさんは俺を見た。
no「君が、僕の隣にいることを嫌になってしまわないか」
ya「……は?」
思わず声が出た。
ya「なんでそうなるんだよ」
no「ずっと一緒にいれば、今は知らない
僕の一面も見えてくるでしょう?」
no「それでも、変わらず好きでいてくれるのか。考えてしまうことはあります」
その言葉を聞いて、胸がぎゅっとなった。
だって。
俺だって同じだから。
ya「……俺だって、嫌われたらどうしようって思うことあるよ」
no「……ゆあんくん」
ya「でもさ」
繋いだ手に、少しだけ力を込める。
ya「嫌なところが見えたからって、すぐ嫌いになるわけじゃないじゃん」
ya「俺、なおきりさんの全部を知ってる
わけじゃないけど……これから知って
いきたいって思ってる」
ya「嬉しいことも、嫌なことも。ちゃんと話してほしい」
少し恥ずかしかった。
でも、伝えたかった。
ya「……俺ばっか頼ってるみたいになるのも嫌だし」
ya「なおきりさんだって、俺に頼ってよ」
なおきりさんは、しばらく黙っていた。
そして。
no「……参りましたね」
ya「え?」
no「君は時々、僕が思っている以上のことを言うんですから」
ya「……なにそれ」
no「もっと格好つけていたかったのに」
そう言って、なおきりさんは笑った。
いつもの余裕たっぷりの笑顔。
でも、今は少しだけ違って見えた。
ya「……別に、格好つけなくてもいいのに」
no「そういうわけにもいきません」
ya「なんでだよ!」
no「君に格好いいと思われたいので」
ya「っ……!」
もう、ほんとに。
この人には敵わない。
no「……でも」
なおきりさんは、俺の手を両手で包んだ。
no「君の前では、少しくらい格好悪い僕も見せられるようになりたいですね」
ya「……うん」
no「そのときは、そばにいてくれますか?」
ya「……当たり前じゃん」
即答だった。
なおきりさんは目を細めて、嬉しそうに笑った。
no「……ありがとうございます」
少しの間、ふたりで夜景を眺めた。
帰りたくないと思った。
この時間が、ずっと続けばいいのに。
そんなことを考えていたら、なおきりさんが不意に口を開いた。
no「……ゆあんくん」
ya「ん?」
no「もし、これから先もずっと一緒にいられるとしたら」
ya「……うん?」
no「どんな毎日を過ごしたいですか?」
ya「……急に?」
no「大切なことなので」
俺は少し考えた。
ya「……朝起きたら、なおきりさんがいて」
ya「一緒にご飯食べて、くだらないことで笑って……」
ya「疲れた日は、ふたりでゆっくりして」
ya「……そんな感じ?」
話しているうちに、どんどん恥ずかしくなってきた。
ya「……あー! もう! 忘れて!」
no「嫌です」
ya「即答すんな!」
no「とても素敵な未来ですから」
なおきりさんは、優しく笑った。
no「僕も、そんな毎日を過ごしたいです」
no「特別な日だけではなくて、何でもない
日も。君と一緒にいられたら、
それだけで幸せだと思います」
その言葉が、胸の奥にゆっくり染み込んでいく。
ya「……なおきりさん」
no「はい」
ya「……これからも、一緒にいてね」
言ってから、自分で驚いた。
こんなに素直に言えるなんて思わなかった。
なおきりさんは、俺の手をそっと握り直す。
no「もちろんです」
no「……ずっと、ですよ?」
ya「……分かってるって」
no「約束できますか?」
ya「……約束する」
そう答えると、なおきりさんは安心したように微笑んだ。
no「……よかった」
ya「……なんか今日、いつもより甘くない?」
no「そうですか?」
ya「そうだよ!」
no「では、明日はもっと甘くしましょうか」
ya「……は!?」
no「ふふ。楽しみにしていてください」
まただ。
また、意味深なことを言って笑っている。
ya「……なおきりさん、絶対なんか隠してる」
no「さて。何のことでしょう?」
ya「絶対そうじゃん!」
no「さあ、帰りましょうか」
そう言って歩き出すなおきりさん。
俺はその手を握ったまま、隣を歩いた。
この先も、きっといろんなことがある。
楽しいことばかりじゃないかもしれない。
でも。
この人となら、きっと大丈夫。
そう思えた。
そして俺は、まだ知らない。
なおきりさんが、今日の約束を胸に、ある大切な決意を固めていたことを。
――第14話 END
え??うん…え???
♡めっちゃたくさんくれてありがとうございます😭😭
もうほんとにみなさんサイコーすぎます😭
#からぴちBL で9位になりました!!!
ほんま感謝してもしきれないです😭
また新連載出そうと思ってるので応援よろしくお願いします🥺
Next♡100
欲張っちゃいます🥺
コメント
1件
ああ、もう、もう……! この甘さ、罪すぎますよ……! 「僕の方が好きだと思っていた」って、なおきりさんがそんなこと言うんですか。ゆあんくんが真っ赤になりながら「俺ばっか好きみたいじゃん」って拗ねる流れ、めちゃくちゃ可愛いです。それに対してさらっと「格好いいと思われたいので」なんて返すなおきりさんの余裕、でも実は不安も抱えてるって分かるのがまた胸に来ますね。 「格好悪い僕も見せられるようになりたい」っていう言葉、すごく好きです。相手に弱さを預けるって、何よりの信頼だと思うから。それを受け止めて「当たり前じゃん」って即答するゆあんくんも、強いなあ。 最後の「ある大切な決意」って、次が気になりすぎますよ……。今夜はこの余韻で眠れそうにないです(笑)。素敵なエピソードをありがとうございました🌷