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誰かの声が聞こえる…。
「あーあ…また失敗だ。」
何の事を言っているのだろう?
何も見えない。ここは何処なのだろうか?
次の瞬間…
何も見えず、ただ真っ暗だった景色が白くなる。
本当は何も見えてないのだろうか?
自分の姿を確認しようとする。
白く細い腕。 細い手。 黒と黄色の服。
自分の事をできる限り思い出そうとする。
俺の名前は ブルースター
スケルトンらしい。
それ以外は何も思い出せない。
「誰かいないのか…?」
しかし何となく言葉は喋れる。
頭と口が直結しているみたいだ。
それはそうと困った。
何も無ければ、誰もいない。
少し辺りを歩いてみることにした。
カランカランと靴の音が響く。
本当に真っ白だ。
「誰かいないのかー?」
自分の声だけが空間に響く。
すると何か黒い人のような物が横切る。
「待ってくれ!」
必死に追いかける。
しかし辺りには誰も居なかった。
「本当に誰もいないのか…?」
俺は何の為に生まれてきたのだろうか。
少しづつ疑問が怒りに変わって行く。
しかしぶつける物もない怒りは虚無に吸い込まれた。
何も無い世界なら生きる理由もない。
そもそも生きる源もない。
そのまま空腹になるのを待った。
何時間経ったのだろうか。
全く腹が減らない。
もしかしたらこの世界の神は俺の死を拒否しているのかもしれない。
本当に最悪だ。
考えはどんどんマイナスになる。
もしずっとこのままだったら?
俺はずっとここで過ごすのか?
嫌な現実から目を背ける。
この真っ白な空間を見るのも苦痛だ。
俺は目を瞑った。
しかし色が変わっただけであり、状況は何も変わらない。
どちらにしろ何も無いのだ。
相当神に嫌われているのだろうか?
それとも俺は元々死んでいて、ここは地獄なのだろうか?
それなら 俺の姿が骨なのも理解ができる。
何か悪い事をしたのだろうか?
しかし記憶には無い。
なんせ誰かの声とこの真っ白な空間しか知らないのだから。
「俺が何したって言うんだよ…」
口からそんな言葉が零れる。
すると後ろから声がする。
「酷いネガティブだな」
目を開け後ろを振り返る。
黒い…スケルトン?
「アンタどこから来たんだ?!」
確かに俺は誰もいないのを自分の瞳で確認した。
「まぁまぁ…そんな事どうだっていいだろう? 」
「どうだって言い訳… 」
俺の言葉を遮るように黒いやつが喋る。
「よく考えてみろ。お前はさっきまで1人だったんだろ? 」
確かにそうだが…
「お前以外のモンスターがここにいるんだぞ? 」
言われてみればそうだ。
あまりの衝撃にすっかり忘れていた。
「普通は喜ぶものだぞ」
「よろこぶ?」
「あぁそうだ。泣いて喜べ。」
喜ぶって何だ?
そもそも俺は何に怒っていたのだ?
分からない。
何も分からない。
黒いのは不思議そうにこちらを見つめている。
そんな顔で見るな。余計混乱する。
しばらくするとそいつは…
「そういう事か…。なるほど。コイツは使い勝手が良さそうだ。」
コイツは何を言っているんだ?
そもそも急に後ろから表れてきて…
怪しすぎる。
コイツは本当にモンスターなのか?
怪しい…
しかし何故だろう?
こいつの近くにいると心地が良い。
しかし不快感もある。
不思議な気持ちに包まれていく。
少しの間お互いに黙っていた。
怪しいとはいえしばらく世話になるかもしれない。
名前くらい聞いておこう。
「あの、名前は何…ですか?」
何故か逆らえない気がした。
今気づいたが、とてつもない圧…オーラ?を纏っている。
「俺の名前は…」