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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
ミヤジの時間 音色で繋がる
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『待たせてごめんね、華さん。』
『ミヤジ…』
『こんな私の傍で良ければずっと隣にいて欲しい。』
『ミヤジ…。そんなことないよ。』
私はミヤジの手を取る。
『ミヤジだから私は好きなの。』
『華さん…あぁ。ありがとう。』
私は華さんの手をぎゅっと握り、ゴールまで一緒に走る。
数日後。恋人同士になった私とミヤジ。
だけど、まだ私は生徒の身。ミヤジは卒業したらと約束した。
今日はミヤジと一緒に合奏をする予定で、音楽室で待っていた。
『ミヤジ遅いな…。』
_( ¯꒳¯ _ )ウトウト
(いけない、昨日夜遅くまで部活の資料制作をしてたからねむ、けが…。)
私は机に顔を着いて寝てしまった。
『すぅ、すぅ……。』
数時間後――。
ガチャ
『お待たせ、華さん。ごめんね、職員会議が長引いて…ん?』
『すぅ、すぅ…』
『寝てしまったのかな…。最近は部活で忙しかったからかな。』
私は椅子を引いて華さんの隣に座る。
ギシッ。
『…。』
私は華さんの寝顔を見る。
(据え膳食わぬは男の恥…とは言うが私は卒業するまでは何もしないと決めた。)
『ん……。』
(あ、起こしてしまったかな。)
『ミヤジ…。だいすき…。』
『……っ。』
プツンっと理性の糸が切れた。
『ずるい人だ……本当に。』
私は華さんの唇にキスをした。
チュッ。
『…私も大好きだよ。華さん。』
私は華さんの頭を撫でる。
(ずっと私の傍にいて欲しい。)
数時間後――。
『ん…ふわぁ…。あれ、私…』
『起きたかい?』
『わっ!びっくりした、ごめん、私寝て…』
『気持ちよさそうに寝てたから起こさなかったんだ。』
『そ、そっか。ごめんね、お待たせ。』
『こちらこそだよ。では私がバイオリンを弾くから華さんはピアノかな?』
『うん!』
私とミヤジは音楽を奏でる。
•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎•*¨*•.¸¸♬︎
音楽室からは儚き音色が響く。
優しくてどこか切なげなそんな音色。
『この曲は…。』
『うん。ミヤジが教えてくれた曲。初めてピアノを弾いた時…ミヤジが教えてくれたんだよ。』
『覚えていてくれたのか。』
『うん。私の思い出の曲だから。ねぇ、ミヤジ。』
『?』
『私を選んでくれてありがとう。
卒業しても…ずっとそばに居てね!』
『…あぁ。もちろんだよ。』
卒業してもずっと、貴方の隣を歩きたい。
貴方という人生の音楽をこれからも隣で。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__