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ピピピッ…ピピピッ…
夏真っ只中。
静かな部屋に木霊するアラーム音。
それは何回鳴ったか分からないが、舜太は布団もかけずに眠っていた。
ピピピッ…ピピピッ…
「……んん~」
寝起きの悪い舜太はほとんど空いていない目で、スマホに手をかけアラームを止める。
うっすらと見える時刻昼12:20分。
その時刻を見て舜太の目はゆっくりと覚醒していた。
「…んん、?あれ……あ」
この日は確か柔太朗とプライベートで出かける予定があり、12:30に待ち合わせをしていた。
「ううん…!」
重い体を起こし、何とか起き上がる。
「…ってやばいやん!急がな…!」
急いで身支度をし、髪のセットも気にせず舜太は家を出た。
______________________
「しゅんちゃん、おはよー。少し遅刻だよ」
待ち合わせ場所に柔太朗はいた。
柔太朗は少し寂しそうな表情で、スマホの画面を指さす。
時刻は12:45分を指していた。
「ごめぇ~ん」
「まぁ、いいよ。対してすぎてないしね。じゃ……行こっか」
最近出来たカフェに行ってみようかと、2人は話をしていた。
「サイトでさ、メニュー見たんよ。どれも美味しそうやったな」
「ね。」
……。
『ん~……なんかどっかでこんな会話した気がするような……』
柔太朗は微笑んだ。
「ん?」
ニャー
木陰から猫の鳴き声が。
それは、2人の前を横切って行った。
「……猫ちゃんや。可愛ええ、なぁ」
野良猫の割には毛並みが揃った黒猫。
「でもあれやな、俺ら犬派やし」
舜太は柔太朗をじっと見つめる。
「…そうだね。しゅんちゃん?時間おそくなるよ?」
「……あっごめんごめん!行こっか!」
そう言って2人は横断歩道の前に立った。
いつもより長く感じる赤信号。
2人を刺すような太陽の光。
そして青に変わる信号。
2人は歩き出した。
柔太朗は少し早足気味で歩いていた。
「しゅんちゃん」
急に柔太朗が横断歩道の真ん中で立ち止まった。
「……じゅうちゃん」
舜太が柔太朗に追いつこうとした、その時だった。
舜太の目の前を信号無視の大型トラックが横切った。
スピードは落ちることなく、大きな音を立てて通り過ぎて行った。
「……!」
舜太は間一髪で助かった。
じゃあ、柔太朗は?
「…!あ、じゅうちゃん!?」
舜太はすぐ、遠くで横たわっている柔太朗を見つけた。
ぶつかった衝撃で遠くに飛ばされたのだろう。
舜太はおぼつかない足で駆け寄った。
柔太朗の状態は酷かった。
打ちどころが悪かったのか、頭からは大量の血を流し、擦り傷が至る所にあり、見るにも耐えない状態だった。
『……これ、どっかで見た事……』
「……ッ!じゅうちゃん、今、救急車ッ……呼ぶから……!」
何とかしてスマホを取りだして電話をしようにも手が震えて打てない。
「……早くッ俺ッッ……!」
また、息も上がってきて、視界が暗くなる。
『やばい、早く電話せなあかんのに……!』
薄くなる意識をどうにか持ち直そうとするが、舜太はそのまま倒れ込んだ。