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第九章
俺は悠一に指定された待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所に着くと、もう悠一はもう着いていて1番端っこの人があまり周りに居ない2人席に座っていた。
「遅れた、ごめん」俺は悠一に謝罪をし、悠一の座っている向かいの席に座った。
「俺こそ、今日は大変だったのに急に呼び出してごめん。」
そう、俺は悠一にお願いされて福田美羽の同級生、古塚加奈に会ってきたのだ。
福田美羽の遺品を整理していたところ、去年の年賀状から古塚加奈の年賀状が見つかった。
だから、住所だって分かったし、高校を卒業してからも年賀状を送っているぐらい仲が良いと悠一は考えたのか古塚加奈と会ってほしいと言われ今日会って来たという次第だ。
「どうだった?」悠一は俺に聞く。
古塚加奈はかなりのお嬢様という感じだったがとても話しやすく、俺にも優しくしてくれた。古塚加奈はとても美人だ、福田美羽と並ぶくらいに美人だった。古塚加奈はとても丁寧に俺の質問に答えてくれた。質問と言っても事前に悠一に渡されていたものだが。きっと学生時代も今もモテているんだろうなという想像を膨らませていた。
だがしかし残念なことに古塚加奈はあまり栗崎理波とは関わりがなく噂程度でしか聞いてないとのことだった。
古塚加奈によれば福田美羽と並ぶくらいには栗崎理波もモテていたそうだ。
そして俺は、古塚加奈と話したこと聞いたことをもっと詳しく悠一に話した。
すると悠一は
「そう言うことか、俺たちは根本的に間違っていたんだ、この事件は突発的に起きた事件なんだ。」と少し低い声で悲しそうに言った。
「悠一、お願いだ俺にもわかるように説明してくれ」俺は本当に意味がわからなかったためお願いした。
「和馬には話していなかったが実は福田美羽には兄、福田達央がいたんだ、しかも、原義十と福田達央は繋がっていたんだ。つまり、兄、福田達央は妹の彼氏に手を出していたんだ。」悠一は、真剣に言った。
「福田美羽の兄はヤバいやつじゃないか」俺はこの感想しか思いつかなかった。
「でも、福田美羽の兄は手を出してから妹の彼氏だと気づいたらしいんだ。」そう悠一は付け足した。
それでも俺は、福田達央は良くないと思った。
でもこの事件はほぼ解決なのでは?と俺は思った。
しかし、そうではないようだ。
もう、美羽が死んでどのくらいの時間が経っただろうか、私はあの美羽の優しさが忘れられない。美羽は、私がなれないこの町でいろいろなことを教えてくれた。
美羽だって忙しいのに、美羽は私と歳がほぼ変わらないのに私よりしっかりしていて本当に尊敬できる存在だった。
なのに美羽は殺された。私は殺した相手を許さない。
私は、悠一に色々と調べてもらってばかりでは悪いと思い色々と調べているが大した情報は得られなかった。
私は無力だ、そうとしか思うことが出来なかった。
そんな時和馬さんから電話がかかってきた。
「はい、もしもし」私はいつもより低い声だったのかもしれない。
「今時間ありますか?」と和馬さんの元気な声を聞いて少し元気になれたような気がした。
「大丈夫です。」と私は答えた。
「実は、明日悠一が福田美羽の関係者を集めて話したいことがあるらしくて、明日時間ありますか?」私は、そんなことなら悠が私に言ってくれれば良いのになぜ和馬さんが、と思ったが私は、
「何時ですか?」と聞いた。
「明日14時からだそうです。」と和馬さんが返した。
「空いてます。参加できそうです。」その日は元々福田美羽とご飯を食べに行く約束をしていた日だと思い出すと涙が溢れてきそうになってしまった。
「大丈夫ですか?」と和馬さんが聞いてきた。
「なんでですか?」私が泣きそうになっているのはわからないはずなのに、
「なんだか元気がなさそうだったので、すいません」と和馬さんは少し笑いながら言っていたように思えた。それに釣られて私も少し笑ってしまった。
「分かりました。参加できると伝えておきます。では」と言って和馬さんは電話を切った。
美雨が何をしたと言うのだろうか、
子供の頃から大変な思いをしてきて、こんなにも優しいのに。
私はまだ知らなかったのだ、次の日の集まりであんなことを聞かされるとは。
美羽が今までどんなことをして来たのか。
もう朝か、私は今日の集まりのことが頭から離れなくほぼ一睡もできなかった。
顔を洗い、ご飯を食べ、歯磨きをし、洋服を着替え、化粧をし、持ち物を準備する。
いつもと同じ行動のはずなのになぜか今日はいつもとは違う、なぜだろうか今日は落ち着きがない。今日一体何を話されるのか、犯人が分かったのかなどいろいろなことを考えていたら。
もう家を出なくては行けない時間になっていた。
「行って来まーす」誰もいないと分かっていてもどうしても言ってしまう言葉なのだ。つか誰かが言葉を返してくれることを楽しみにして今日も外にでる。